看護師がキャリアアップする為の資格を取ろう。 14呼吸ケア指導士

このサイトを見ている方には、看護師として働く中で、呼吸障害を抱えて入院している患者さんを診たことがあるという人も多いと思います。しかし、呼吸機器につながれた患者さんを見ながら、この人に、学校で習った看護以上のことをしてあげられないだろうかと、もどかしく思ったことはありませんか?そこで、今回は看護師のキャリアアップとして「呼吸ケア指導士」を紹介したいと思います。

呼吸ケア指導士は呼吸障害をもつ人々への継続的なケアを行うために、基礎知識や臨床的技術を持ち、地域の呼吸ケアにおいて指導的や九会ありを担う人材のことです。この資格は、看護師や准看護師だけでなく、医師、歯科医師、理学療法士など呼吸管理の分野で活躍が期待できる業種の人であれば取得することが出来ます。

また、呼吸ケア指導士には「初級」と「上級」の二種類があるということを押さえておきましょう。上級呼吸ケア指導士は呼吸ケアにおけるプロフェッショナルだと考えてもいいでしょう。

知っていますか?呼吸ケア指導士への道のり

呼吸ケア指導士がどんな仕事をしているか分かったら、次は、どのようにして呼吸ケア指導士になればいいのか、その流れを確認していきましょう。

  • 認定資格の確認

呼吸ケア指導士の認定資格として、まず、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会の会員になることが必要です。

そして初級であれば4月時点で継続して、学会に3年以上在籍していることが必要です。そして、入会以降に研修単位を50単位以上取得していることが必要です。

上級であれば5年以上の在籍が必要となります。また、入会以降に研修単位400点以上を取得していることが必要です。

また、認定審査を受けられる対象者は、医師・歯科医師、看護師、准看護士、理学療法士、作業療法士、栄養士・管理栄養士、薬剤師、言語聴覚士、歯科衛生士、臨床工学技士、臨床検査技師、介護福祉士、その他(呼吸ケア認定委員会が定めたもの)の資格を有している人と定められています。

  • 認定申請を行う

毎年、4月から、6月末までの約3か月間、申請受付を行っているので、必要書類をそろえて「初級」あるいは「上級」の資格申請を行いましょう。

  • 認定審査

8月下旬から9月上旬にかけて、審査が行われて結果が送られてきます。

以上が呼吸ケア指導士になるまでのおおまかな流れになります。

一体どれだけの費用や時間がかかるの?試験の内容は?

呼吸ケア指導士になるための流れはわかったけれど、一体どのくらいの費用がかかってしまうのかなどは気になるところだと思います。そこで1つずつ整理していきましょう。

まず、費用ですが、認定審査に必要な金額は1万円だけですが、その他に、学会指定の公衆化を受けて、単位を取得する必要があるため、別途、交通費や宿泊費などが必要となるので、およそ7万円程度必要であると言われています。

次にどれくらいの期間が必要になるかですが、認定資格に、学会に入会してから3年間の在籍が必要とされています。さらにそこから、認定申請から、結果通知まで1年ほど必要になるので、初級呼吸ケア指導士であっても少なくとも4年は必要となります。

資格取得のために、試験は必要ありません。ただし、学会が認定する講習会や、学術集会への参加、論文の発表などを通じて所定の単位を取得する必要があります。講習会の場所や日程は不定期開催で、全国各地で行われています。

呼吸ケア指導士になったら、気になる給料はどうなるの?

看護師からのキャリアアップとして呼吸ケア指導士を紹介してきましたが、では、気になる給料のほうなどはどうなるのでしょうか?呼吸ケア指導士のメリットを上げていきたいと思います。

まず、給料に関してですが、実は呼吸ケア指導士になったからと言って、大きく給料が変化するというデータはありません。病院によっては資格を持っている人に手当が出たりしますが、やはり給料アップにつなげるには、呼吸ケア技術を磨くことで、重要な指導的な仕事も任されるようになるなど、職場での昇格をしていくほかないと思います。

では、呼吸ケア指導士のメリットは何かというと、やはり、呼吸管理の分野において、ほかの看護師にはできない臨床技術や一歩進んだ知識をつけることが出来るという点ではないでしょうか。これから先、高齢化などによって、在宅医療などにおける呼吸管理能力は需要が高まっていくと考えられます。

ですので、給料にこだわらず、自身のキャリアアップとしての呼吸ケア指導士資格を検討してみてはいかがでしょうか。

看護師の業界用語 解説

アンビュー…人工呼吸時に用いる送気バッグのこと

アンビューバッグという商品で、患者の口と鼻から、マスクを使って他動的に喚起を行うための医療機器を指します。別名をバックバルブマスクとも言います。