当サイトは、ご存知のように看護師の転職について紹介させていただいていますが、看護師として勤務すること数年、そろそろ、ただの看護師ではなく肩書が欲しい。知識や技術で一歩先へ行きたいと思っている方も多いと思います。そこで今回は、看護師のキャリアアップとして「手術看護実践指導看護師について紹介していきたいと思います。
手術看護実践指導看護師は、ジョナサンという愛称で知られていて、日本手術看護学会が認定するクリニカルラダーレベルⅢに相当する実力、つまり中堅以上の実力を持っている人に与えられる資格です。
手術看護実践指導看護師は資格取得の際に学んだ知識や技術を、手術看護のリーダーとして指導、実践していくことで、チーム医療の質を高めていく役割を担っている仕事です。
手術看護実践指導看護師にはどうやってなれば…?
仕事内容のイメージがついたところで、次は、資格取得までのおおまかな流れを整理していきましょう。
①申請資格の確認
申請資格は以下のように決まっています。
- 看護師免許がある
- 10年以内に通算3年以上、学会正会員であること
- 手術室経験が通算5年以上ある
- 受験資格ポイントを50点以上取得している
- 手術看護実践事例を2例提出する
- クリニカルラダーレベルⅢ認定証明書を提出する
- 申請料3万円の納付済み証明書と2017年度(申請年度)入会振り込みの写しを提出する
上記の条件を満たしていることが申請資格となります。
②認定の申請書類を入手
受験申請に必要な書類をホームページから入手しましょう
③申請書類に必要事項を記入
入手した用紙に必要事項を記入し、送ります。応募手続きは2月から3月にかけての期間になります。
④認定審査委員会において書類審査を行う
4月から5月にかけて、送った書類について認定審査が行われます。
⑤合格発表
6月に、合格者には登録手続きが送られてきます。不合格者には、理由を添えて結果が通知されます。
⑥登録料を振り込む
7月頃に、登録手続き書類に従って登録料1万円を支払います。
⑦認定証とバッジが発行される
登録が完了すると、後日、認定証とバッジが交付され手術看護実践指導看護師として認められます。
以上が、手術看護実践指導看護師になるための流れとなります。
一体どれだけの費用や時間がかかるの?試験の内容は?
資格取得までのおおまかな流れをつかんだところで、次は資格取得までに実際にどれくらいの費用や時間がかかるのか、試験の内容や合格率について確認していきたいと思います。
まず、必要となる費用ですが試験の受験料に3万円、認定料に1万円の計4万円が最低でも必要になります。しかし、受験ポイントのために講習会を受けに行くなどして交通費などが必要となることも考えられるので、おおよそ15万円程度必要になると言われています。
次に認定にかかる時間ですが、受験条件を満たしていれば、申請した2月から合格発表の7月までの約半年間で資格を取得することが可能です。しかし、ゼロから目指すとなると、受験条件の「手術室看護の経験が5年以上ある」を満たすために5年の期間がかかるので、注意が必要です。
最後に認定審査に関してです。認定審査は毎年1回、2月から7月までの期間をかけて行われていて、その合格率は97.5%と高いです。しっかりと認定条件を満たしていれば、ほとんど落とされることはないと思います。
手術看護実践指導看護師になったら何が良いの?
看護師からのキャリアアップとして手術看護実践指導看護師を紹介してきましたが、そのメリットは?とお考えだと思います。
給料に関していうと、2014年に始まった資格なので、まだ、普通の看護師よりも高いというようなデータはありません。しかし、一般的に、そのような資格を持っている人は病院側から手当が出ることがありますし、指導的立場になるので、職場における昇格によって、昇給を充分に見込むことが出来そうです。
そのほかに、手術看護における高度な知識や臨床技術を習得することが出来るので、自分自身の成長があるというメリットがあります。
加えて、その知識を周囲の医療者に伝えていくことが求められる立場ですので、より多くのコミュニケーションを取る機会が増え、職場で過ごしやすくなったり、必要とされる人材となれたのだという充足感が感じられるというメリットが考えられます。
看護師の業界用語 解説
移乗…ベッドから車椅子、車椅子から便座などの場所へ乗り移る動作のこと。
移乗は、自力での移動や歩行が困難な患者さんを安全に移動させるために行います。通常の看護業務の中でも特に多いと思うので、手技をしっかりと確認しておきましょう。