看護師がキャリアアップする為の資格を取ろう。 20インターベンションエキスパートナース(INE)

このページを見ている看護師さんの中にも、看護師なのに注射が苦手でといった人や、逆に注射が得意だからもっと色々知りたい、やってみたいという人がいると思います。そのように看護行為と注射は切っても切れないものとなっています。そこで今回は看護師のキャリアアップとして「インターベンションエキスパートナース(INE)」を紹介したいと思います。

インターベンションエキスパートナースは、注射のみならず、カテーテル挿入など、増々複雑化してきているインターベンション(静脈内への挿管行為)において、チーム医療の核として医師以外に、新しい器具についての知識や技術を持って患者と接することが求められる職業です。

2012年から運用が始まった資格で、現在では全国で2000人以上のインターベンションエキスパートナースが働いています。

知っていますか?インターベンションエキスパートナースまでの道のり

インターベンションエキスパートナースがどのような資格か分かったところで、次は、資格取得までにどのような流れで動けばよいのか、流れを整理していきましょう。

  • 受験資格を確認する

まずは、自分が受験資格を満たしているか確認しましょう。

  1. 看護師免許を有すること。(正看護師、准看護師問わない)
  2. 看護師としての実務経験を、受験申請を行う年の11月30日時点で満3年以上有すること。
  3. IVR専門医またはCVIT専門医の下で100例以上の看護経験を有する
  4. 過去2年間のうちに定められた講習会を1回以上受講していること
  5. 受験申請を行う

上記の条件を満たしていたら、インターベンションエキスパートナースの公式ホームページの提出書類マニュアルに従って、必要書類を提出しましょう。

  • 書類審査

提出書類についての審査が行われ、合格者には筆記試験を受ける資格が与えられます。

  • 筆記試験を受ける

書類審査後に返送されてくる受験票を持って、筆記試験を受けに行きましょう。

  • 合格、認定証の交付登録

試験に合格すると、インターベンションエキスパートナースとして認められます。

以上が、インターベンションエキスパートナースになるための流れとなります。

何がどれだけ必要なの!?お金や時間のあれこれ

流れを整理したら、具体的に必要となる費用や期間、試験内容や難易度などについて触れていきたいと思います。

まず、必要となる費用ですが、受験資格となる講習会の受講料が5000円、資格試験の受験料が5500円なので、最低でも10500円が必要となります。ただし、講習会や試験の会場は東京、大阪になるので、交通費や宿泊費などが必要となる可能性も考慮しなければなりません。

次に、必要となる時間ですが、受験の申請から認定試験までが4か月程度ですので合格発表まで半年間はかかると考えられます。もしゼロからのスタートであれば、実務経験3年間と専門医の下で100例の症例を経験する期間も必要となるため、5年程度必要になることも考えられます。

次に試験に関してですが、試験は毎年1回、3月下旬に東京と大阪の2ヶ所で行われています。東京会場は帝京大学板橋キャンパス、大阪会場は TOG 大阪梅田貸し会議室となっていて、どちらで受験するかを申し込み時に選択することが出来ます。

試験内容は、多肢選択式の筆記試験となります。試験の合格率は90%以上と高い割合になっています。必要な準備行って臨めば、充分に合格することが可能な試験になっています。

教えて!インターベンションエキスパートナースの魅力

看護師からのキャリアアップとして、インターベンションエキスパートナースを紹介してきましたが、そのメリットはいったい何なのでしょうか?

まず、気になる給料に関してですが、インターベンションエキスパートナースは、通常の看護師に比べて、病院からの資格手当が出ることや、インターベンション行為においての指導的立場になることから、給料が若干高めになります。

給料面だけでなく、知識や技術といった面においても、注射行為、カテーテル挿管など、他の看護師よりも一歩先をいくことが出来るので、循環器内科といったいわゆるメジャー科での需要もかなり高くなり、職場で必要とされる人材となることが出来るでしょう。

医師の指示をより深く理解出来たり、後輩の看護師に指導をしたりと、立場上コミュニケーションが増えるようになると、働きやすくなり、仕事から充足感が得られると思います。

看護師の業界用語 解説

一横指(いちおうし)…指一本分の横の太さのこと

一横指は、長さにして1.5cmを表しますが、顎関節が三横指開かなければ、顎関節症状のひとつであったりと、簡易的に症状の診断を行う際に目安となるので、覚えておきましょう。