看護師がキャリアアップする為の資格を取ろう。 27日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士

看護師として働いていく中で、「ほかに資格とか取らなくていいのかなぁ」なんて不安におもったりしていませんか?当然、自身のキャリアについて考えることがあると思います。

看護師として働いていると、脳障害による麻痺などで、摂食障害を抱える患者さんを見たことがあると思います。食事を自分で取ることが出来ないというのは患者さんのQOLを著しく損なう状態です。今回はそんな患者さんを支えることが出来る「日本嚥下リハビリテーション学会認定士」について紹介したいと思います。

日本嚥下リハビリテーション学会認定士は、摂食嚥下リハビリテーションに必要な知識と臨床技能を持ち、摂食嚥下障害患者の全身状態の管理から、問診、視診、機能評価法を使いこなして嚥下機能の改善に努めていく働きが求められる資格です。

日本嚥下リハビリテーション学会認定士にはどうしたらなれるの?

日本嚥下リハビリテーション学会認定士の仕事について簡単に触れたところで、次は、どのようにして資格を取得すればいいのか、その流れについて整理していきたいと思います。

  • 受験資格を確認する

まずは、受験申請を行う前に、自分が受験資格を持っているか確認しましょう。

受験資格は以下のように定められています。

  1. 本学会会員歴が、受験年の7月31日において、2年以上であること
  2. 摂食嚥下に関わる臨床または研究歴が、受験年の7月31日において、通算3年以上であること。
  3. 日本嚥下リハビリテーション学会インターネット学習プログラム(eラーニング)全過程を修了していること。
  4. 受験申請書類を提出

上記の条件を満たしていたら、必要書類を準備し、提出しましょう。

必要な書類は以下の物です

  1. 受験申請書
  2. 履歴書
  3. 専門職の免許証写し
  4. eラーニング修了証
  5. 受験申請料(10,000円の)払い込み受領証
  6. 返信用封筒
  7. 書類審査・認定試験

申請書類の内容に対し、書類審査が行われます。通過すると、認定試験受験資格が得られるので合格を目指し、筆記試験を受けます。

  • 合格発表・認定証の交付

合格発表がホームページで行われます。合格していた場合、認定士登録申請書が届くので、申請料20,000円を振り込み、登録申請を行います。登録が済むと認定証が交付されます。

以上が、日本嚥下リハビリテーション学会認定士資格取得までの流れになります。

費用や時間は?試験はどんな感じか知りたい!

資格取得までの流れがわかったら、次は、具体的に費用や期間はどれくらい必要なのか、試験の詳細なども含めて押さえていきましょう。

まず、必要になる費用ですが、認定試験の受験申請料が1万円、登録申請料が2万円、年会費5千円×2年以上が必要となります。その他、セミナーや受験の際の交通費などを加味すると、必要な費用は5万円~10万円程度になります。

次に、資格取得までに必要な期間ですが、入会してから受験資格を得るまでの2年間に、受験申請年の1年を合わせて、最低でも3年間は必要になります。

最後に試験に関してですが、試験は毎年1回、12月の第1日曜日に行われます。会場は東京都、愛知県の2ヶ所ですが、年によってはどちらか一方ということもあるので事前に確認しておきましょう。試験内容はマークシート方式の多肢選択試験で、出題範囲はeラーニングの内容になります。試験の合格率は80%以上で、インターネット学習をしっかりと受けて、準備をして試験に臨めば、難しい試験ということはなさそうです。

日本嚥下リハビリテーション学会認定士の魅力って一体…?

最後に、日本嚥下リハビリテーション学会認定士の資格を取得することによるメリットについて解説していきたいと思います。

はじめに、給料に関してですが、資格を取得することにより、資格手当が支給されることのほか、摂食リハビリにおいて、指導的立場を任されることもあり、通常の看護師免許だけの場合に比べて給与が高くなる傾向にあります。

そのほかのメリットとしては、患者さんを、胃瘻で経管栄養をしている状態から経口摂取出来る状態まで回復させてあげることによって、自身の達成感とともに、患者さんから直接感謝の言葉をもらうことが多く、仕事に充足感を持つことが出来るという点が魅力的です。

高齢化により、在宅看護や、訪問看護などの重要性が高まってきた現代医療現場において、摂食障害を抱えがちな高齢者の摂食ケアが出来るという点では、自身の活躍の場を広げることが出来るというメリットもある資格です。

看護師の業界用語 解説

陰圧(いんあつ)…外部よりも内部の圧力が低い状態

空気は、陽圧の部分から陰圧の部分へと流れていきます。肺が呼吸を行う際は、肺内部が陰圧となるために空気が入ってくることが出来るし、息を吐く際には、肺が収縮して肺内部の圧力が高まり、外部の空気に対して陽圧となるので、呼吸をすることが出来ます。