脳神経外科の看護師の仕事とは

脳神経外科の看護師はどんな仕事をしてどんな人に向いているのか、またどんな知識が必要なのか、簡単にまとめたので参考にしてみてください。

脳神経外科の看護師の役割とは?

脳神経外科は脳はもちろんのこと、脊髄、末梢神経系などの神経系全般の疾患のうち、外科的手術が適応となるものを対象にしています。脳と聞くだけで、難しいのでは?という印象を持っている人も少なくはないと思いますが、ここから簡単に説明していきます。扱う疾患として代表的なものは脳卒中、くも膜下出血、脳内出血などの脳血管障害、事故などによる頭部外傷、そして悪性腫瘍などがあります。緊急性の高いもの、重症度の高いものも多く含まれています。

それでは脳神経外科の看護師の主な仕事内容を紹介していきます。点滴、注射、バイタルチェック、食事・排泄、日常生活の介助、患者さん・家族などの精神的ケアなどがあります。仕事内容としては看護師の一般的業務と変わりありませんが、緊急性の高い患者さんや急変した患者さんの対応なども行い、また外来業務、病棟業務どちらもこなすため、他の科よりも仕事量は多くなります。さらにバイタルサインのチェックなどは他の科よりもレベルの高いものが求められます。急性期、術前、術後、回復期など脳神経外科では様々な状態の患者さんがいるため、それぞれに合わせて対処しながら管理しなくてはいけません。血圧・脈拍・検温などの一般的なバイタル測定だけでなく、複数のモニターのチェック、意識レベルの確認、対光反射の確認など専門的な知識が必要になります。専門的な知識、最新の医療機器の知識を身に着け、心電図などの循環器系の知識も要求される脳神経外科の看護師は、日々勉学に励むことになります。中には意識レベルが低下している患者さん、一分一秒を争う患者さんもいます。そのような緊迫した状況に遭遇することは珍しいことではないため、臨機応変に対応し、素早く対処するためにも高いスキルが求められています。

脳神経外科では意識が低下していたり、術後麻痺が残ったことで自分ではうまく体を動かせなかったりする患者さんが多くいます。自分では異常を訴えられない患者さんには細心の注意を払い、異常にいち早く気づくことが看護師の重要な役割になります。そして、麻痺のある患者さん、術後安静が必要な患者さんなどに食事・排泄、入浴、日常生活の介助も行います。嚥下障害のある患者さんもいるので、症状、障害、麻痺に合わせて介助、補助を行っていきます。身の回りのことがうまくできない患者さんでは、日中だけでなく夜間もナースコールが来るので、その都度対処していきましょう。

脳神経外科の看護師は精神的なケアも欠かせません。意識がない状態が続いている患者さんの家族は大きな不安を抱えています。脳血管障害の患者さんでは昨日まで普通に生活していたのに急に発症することも多く、自分に状態にうまく納得できない人や、目が覚めたら自分の体に麻痺が残ってしまっていた人などもいます。看護師は患者さん、家族の気持ちに寄り添いながらケア、介助をすることが要求されます。

ここまで脳神経外科の看護師の仕事を説明してきて、大変そうだなあと感じている人もいるかもしれませんが、やりがいをたくさんあります。看護師として点滴、注射などの医療スキルを身に着けることができますし、スキルを活かすことができます。意識がない状態で運ばれてきた患者さんが、手術により回復し退院した姿をみることができることも多くあり、自分が看護師としてした仕事にやりがいを持つことができます。

給料はどれくらいもらえるのか?

転職の際に気になるのがお給料についてですよね。脳神経外科は専門性が求められるため平均の給料より少し高めで、月収25〜35万円程度になります。この中には夜勤、時間外手当も含まれています。
月収給料アップにつながる資格については”キャリアアップができる資格とは?”で詳細を紹介します。

どのような人が向いているのか?

脳神経外科の看護師は仕事量が他の科よりも多くなるため、体力に自信がある人、仕事をテキパキとこなせる人が向いています。また緊急の患者さん、急変の患者さんなどの処置も行うことになるので、慌てずに対応できる人、臨機応変に対応できる人に向いています。

キャリアアップができる資格とは?


キャリアアップにつながる資格は多数ありますが、ここでは2つに絞って紹介します。また必ずしも給料アップにつながるというわけではないですが、自分の仕事をアピールするきっかけになります。
・摂食・嚥下障害看護認定看護師→平均1万円程度アップ
・脳卒中リハビリテーション看護認定看護師→平均1万円程度アップ
これらの資格に関します詳細は、個別に詳細を書いておりますので、そちらを参考にして下さいね。

看護師の業界用語

ナチュラル・コース
終末期の患者に対して、無理な蘇生や延命治療を行わず、静かに看取ること。