看護師という職業柄、ネイルなんてできない!と思っている人も多いかもしれません。ネイルケアと一言に言ってもマニキュアを塗ったりするのではなく、ここでは爪を清潔に、健康に保つための自宅で簡単にできるケアの方法を紹介していきます。
ネイルケアって必要なの?
看護師は一日の仕事の中で何回も手洗いをする必要があり、またアルコールでの除菌も何度も行ったりしています。肌荒れしやすいのと同様に、看護師は爪も常に荒れやすい状態におかれているのです。爪が割れやすかったり、爪を切るたびに二重爪になってしまうと感じたことがある人も多いでしょう。そして、看護師にとってネイルケアが欠かせないのは何より患者さんのためです。患者さんの中には免疫力が低下していて、少しでも皮膚に傷ができるだけで感染を起こす可能性もあるため、点滴・注射などの医療行為を行うときはもちろん爪は清潔に保たなければいけません。さらに食事や入浴の介助など患者さんと接する時間が一番長い看護師の手元、爪は、自然と見られています。患者さんの中には病気や入院により不安が募っている人もたくさんいるので、そんなときに指先、爪が汚れていたり整っていなかったりすると、それだけで不信感を抱いたりして、信頼を失うかもしれません。細かい部分ではありますが、看護師にとってネイルケアは欠かせないものなのです。それではこれから、具体的に何をすればよいか説明していきます。
実際にはどんなネイルケアをすればいいの?
~爪を切るタイミング、切り方~
爪はお風呂上りに切るのが一番良いとされています。お風呂上りでは爪がしっとりと柔らかくなっているため、切っても傷がつきにくい状態になります。看護師は爪をこまめに切ることになるので、このようにタイミングを工夫するだけでも爪のケアにつながります。爪の切り方は、“スクエアオフ”が一般的に強度が強く、割れにくいとされています。スクエアオフとは爪を真っ直ぐに切るもので、角が少し丸みを帯びている形です。切るときは端から少しづつ真っ直ぐ切り、最後に角をやすり(ファイル)などで削ります。一つの爪に対して数回に分けて少しずつ切ると傷が少なくなります。削るときは二枚爪防止のためにも、いつも一定方向に動かすようにして削ります。爪切りを使って切る場合の他にも、やすりで削ることで爪の長さ・形を整える場合もあります。看護師のように頻繁に爪に手入れをする場合は、そもそもそこまで爪が伸びていないので、やすりでも十分に対応できるでしょう。お風呂あがり、もしくはお湯に2、3分手をつけたあとに、やすり(最近は電動もある)で長さ・形を整え、次に余分な甘皮(キューティクル)を取り除きます。皮膚と爪の生え際の部分である甘皮の余分なところを、ガーゼなどで軽く取ります。取り過ぎには注意しましょう。ガーゼなどは少し湿らせおくとよいでしょう。
~爪も実は乾燥している!~
肌がカサカサしているように、爪も乾燥しています。爪が乾燥すると固くなり、爪に縦の線がいくつも形成されたり、割れやすくなったりします。アルコールで手を除菌したり、手洗いをする機会が多い看護師にとっては肌はもちろんのこと、爪も常に乾燥しやすい状態にあるので、家庭での爪の保湿を心掛けましょう。ここでおすすめなのがネイルオイル(キューティクルオイル)です。保湿のための植物性のオイルや、爪への栄養としてビタミンやミネラル、ケラチンが含まれたりしているネイルオイルがよいでしょう。何が含まれているか、何が自分の爪に合っているのか確認して購入してみてください。爪の先、爪の生えてくる甘皮の部分、横の部分を中心に塗っていくことで爪を保湿できると共に、ささくれなども防止することができます。わざわざネイルオイル(キューティクルオイル)を購入するのは面倒くさいという人は、市販のハンドクリームでも爪の保湿をすることができます。手のひらや指先にハンドクリームをなじませるのと同じように爪にもなじませながら塗っていきます。手から指へのハンドマッサージをして血行を促すように爪に塗っていくとよいでしょう。もし、ハンドクリームもネイルオイルも両方使いたいときがあれば、爪へなじませやすいようにネイルオイルを塗ってからハンドクリームを塗るようにしましょう。ハンドクリームではなくても化粧水や乳液でも代用できます。一日二回程度の保湿が効果的のようなので、朝仕事に行く前と、帰宅したお風呂上りに保湿ケアをするのがおすすめです。
~爪のケアは食事から~
爪も体の一部ですから、爪の健康を保つためには栄養摂取も欠かせません。爪の乾燥や割れを防ぐためにも、ビタミンAは不足しないように接種しましょう。ビタミンAがよく含まれているのは、肉類ではレバー、野菜では人参、ほうれん草、大葉などになります。取り過ぎるのでなく、日々の食生活の中で不足しないように摂取していきましょう。爪は体の健康状態の簡単な指標とすることもできるので、爪が割れたり異常が起きたら、先ほど紹介してきたケアを行うと共に、栄養不足を解消し健康的な生活を送るように心掛けましょう。
看護師の業界用語
ノンクリティカル器具
創傷などがない正常な皮膚と接触する器具、または全く触れない器具のこと。具体的にはマンシェットや聴診器などがある。