勉強会の資料作りや掃除など時間外労働が多い

看護師の仕事と言えば、入院患者のケアや手術中の助手などが思いつきます。しかし、看護師にはこの他にもやるべき仕事がたくさんあります。特に若い看護師は、看護以外の雑務が結構あったりするんです。以下では看護師の時間外労働にフォーカスしていきます。

看護師は時間外労働が多い?

時間外労働とは「法定労働時間を超える労働」のことを言います。看護師の仕事には時間外労働が多数含まれています。特に若い看護師の場合、看護に関係ない仕事を押しつけられることもあります。例えば、物品の補充や身の回りの掃除、勉強会の資料作り、ゴミ捨てなどです。どれも看護師でなくても出来そうな雑務ばかりですよね。看護師の皆さんは大変です…。

また、時間外労働は多い人で1日3時間以上にも及びます。夜勤や準夜勤が存在する看護師の仕事において、この残業時間は看護師にかなりの負担を与える長さだと言えます。一部の看護師は過労死するレベルの労働を強いられているそうです。例えば、日勤が8時から17時、夜勤がその日の24時から入っていたとして、日勤が2時間残業、つまり19時までになったとします。すると自由な時間が19時から24時の間の5時間になってしまい、睡眠する時間が3時間程度しか取れないことになってしまいます。このような例は実際の職場でもかなり多く見られます。このように休憩があまり取れずに勤務することは、看護師本人の健康上の問題になりますし、さらに過労によるミスによって患者さんの健康を害する可能性さえあるのです。

また、多くの職場で時間外労働に対する給与が満足に支払われていないというデータがあります。いわゆる「サービス残業」というやつです。もちろん看護師には残業代を請求する権利があるのですが、病院の雰囲気が請求できる雰囲気ではなかったり、そもそも残業代を請求できることを知らなかったりという理由で、完全に残業代を貰っている看護師は少ないそうです。残業代を貰うか貰わないかで10万円以上も給料の差が生じることもあります。

時間外労働するのは普通?それホント?

さて、勉強会の準備や掃除などの仕事で、看護師が時間外労働をすることは当然なのでしょうか。それは違うと私は考えます。

看護師は掃除などの雑務を頼まれることが多々あります。特に新人はその傾向が顕著です。それに関しては仕方のないことです。医療現場では緊迫した状況になることもあり、その時に新人に仕事を丁寧に教えていたら、処置が遅れてしまいます。よって新人は雑務をこなすことも仕事のうちという考えは間違っていないと思われます。掃除などの雑務は誰かがやらなくてはならないことですし…。

しかし、それが時間外労働となると話は別です。決められた勤務時間から外れて雑務をしなければならないというのは、看護師に大きく負担を与えます。ましてや夜勤があり生活が不規則な看護師にとって、時間外労働というのは精神的にも肉体的にも辛いことなのです。

雑務を時間外労働にする必要は全くありません。雑務を勤務時間に入れてしまえばいいのです。しかしながら、そう簡単にはいきません。長い間その病院で働いてきた看護師から、「私も時間外で働いていたのに、何故嫌がるの」という風に思われてしまう可能性があるからです。このような理由から病院では看護師の時間外労働を廃止することが難しくなっています。また、時間外労働の給料を貰えていない看護師も多数いるようです。

では、看護師は時間外労働からは逃げられないのでしょうか。どのように対策すればよいのでしょうか。

給料の申請をしよう

労働時間外で働いている場合、看護師には給料を請求する権利があります。ですので、残業しているのに給料を貰っていないという方は、一度勇気を出して残業代をつけてみましょう。看護師の残業代の付け方の多くは時間外労働の欄に書き込むだけです。しかしいきなり残業代を付けるのが厳しいという方もいらっしゃると思います。そのような方は一度先輩に相談してみることをお勧めします。

ただ、病棟の雰囲気がとても残業代を請求できるような雰囲気ではないことも多いです。そのような場合、自分だけが残業代を請求するのは後々の周囲の人間関係的にも非常に困難なことです。ならば思い切って退職して別の病院に勤めることも一つの手です。別の病院に勤め始めて給料が10万円以上上がることもあります。ただし、やみくもに病院選びをしても、また同じような病院に勤めることになるかもしれません。そのため、病院選びの際にはしっかりとしたサーチが必要です。看護師の転職サイトやアドバイザーに相談するなどして、しっかりと自分にあった病院を探すことが大切です。

看護師専門用語解説

「麻疹(ましん)」

麻疹ウイルスによって赤い発疹を呈する急性熱性発疹性感染症です。人から人に感染するウイルスで、感染力が非常に強いことが徳量です。ただ、子どもの頃にワクチンを接種することで予防することが可能です。