芯が強いことと気が強いことの違いがわからない


看護師として働いていると患者さんに感謝されたり、元気な姿で患者さんが退院していったりと嬉しいことがたくさんあると思います。しかし、それとは逆に患者さんや同僚との関係で悩んだり、嫌なことがあったりもしますよね。今回はそんな看護師ならではの悩みの一つである「芯が強いことと気が強いことの違い」についてお話していきたいと思います。

芯が強いと気が強いの違いを考えてみよう

芯が強いと気が強いという言葉は似ているように感じますが受けるイメージは全く違いますよね。芯が強いと言われると自分をしっかり持っていて凛としているようないいイメージを抱きますよね。それに対して、気が強いと言われるとワガママで頑固、それでいて感情的な悪いイメージを抱いてしまいます。
この両者の違いは何でしょうか。やはり、気が強いではなく、芯が強いと思われたいですよね。ここで両者の違いを考えるヒントとして伝え方があります。きつい言い方はどうしても気が強く思われてしまいます。決めつけや一方的に責めたり、乱暴な口調はやめるように心がけましょう。感情的になっていると感じられ、その場を凍らしてしまいます。例えば、同僚に「なんでこんなこともできないの?」と言ってしまったことはありませんか。気が強い人は周りの人よりも仕事や行動が早く、自分に自信を持っていることが多いため、思わずこの言葉が出てしまうことがあります。その言葉をのみこんで、「こうするとうまくできるよ」などと解決策を提示すると相手も作業をスムーズに行うことができます。

そろそろ気づくことができたでしょうか。芯が強いと気が強いの大きな違いは愛があるかないかです。別に相手のことは嫌いじゃないし、むしろ好きでも気が強いと嫌われてしまうことがあるという方もいるかもしれません。しかし、それは伝え方に愛がないからなのです。愛のある伝え方とは自分の目線からではなく、相手の目線に立って伝えることなのです。先ほどのヒントについてもう一度考えてみると分かると思います。「なんでこんなこともできないの?」はその作業をスムーズにできる自分の目線です。自分はできるのになんであなたはできないの?という自分目線であることが分かると思います。逆に「こうするとうまくできるよ」は相手の目線でここがうまくできないというのを捉えた上で伝えていることがわかりますよね。相手の目線に一度立つというのが愛であり、それができるのが心の強い人です。

芯が強い人になるために

芯が強い人の愛のある伝え方についてお話してきましたが、日常生活で一歩立ち止まって伝えることは頑張ればできるかもしれません。しかしながら、日常生活でも、つい気が強い言い方をしてしまうかもしれません。それが、難しい判断をスピーディーにすることを求められる医療現場ではどうでしょうか。いちいち立ち止まって伝え方を考えるなんてことはできませんよね。そこで気をつけたいのがその後のフォローです。自分の休憩中や仕事終わり、また忙しさが落ち着いてきたときにスタッフや患者さんへの伝え方が正しかったか考えてみると良いでしょう。もし、あのときの伝え方が良くなかったと感じるならば、今度から気をつけようとするのではなく、直接本人に謝りましょう。その後のフォローがあるだけで印象は全く違うものになります。

また、芯が強い人になるためのもう1つのコツは自分の信念や理念を持ち、守りたい人を持つことです。看護師として持つ信念は患者さんを助けることや自分の描く看護師像ですよね。芯が強い人は決して頑固なわけではなく、その信念や理念を守るために手段には柔軟性を持ちます。患者さんを助けたいという気持ちだけで愛がある芯の強い人ですが、そのためには誰の意見でも聞く、どんな手段でも対応するという気持ちを持つことでより芯の強い人に近づけると思います。また、家族や恋人、友人など守りたい人を持つことでその人たちを幸せにするために行動をとることができます。実際の医療現場においては、患者さんの家族の立場に立って、もし自分が同じ立場ならと考えて行動することができるようになります。大切な人を持つことは愛のある心を育むことにつながるのです。

医療現場は忙しく難しい判断も求められるため常に笑顔で人に気をつかうのは難しいものです。愛を持ってスタッフや患者さんと向き合い、芯の強い人だと思ってもらえるように伝え方、そして、きつい言い方をしてしまった時のフォローに気をつけましょう。また信念や守りたい人を持つことで患者さんだけではなく、患者さんの家族の立場に立った愛のある介護ができるでしょう。

看護師専門用語 『ホルター』

携帯型の心電図記録器で長時間にわたる記録を行うことができる心電図をホルター(長時間)心電図といいます。携帯型心電計の電極を胸につけたまま、24時間の心電図をICメモリーに記録するため侵襲性がないのが特徴です。日常生活でいつ起こるか分からない不整脈、狭心発作の発見のために使われます。また、抗不整脈薬の薬効の評価にも用いられます。