増えつつある男性看護師等の割合
以前、看護師と聞くと女性の仕事というイメージがありました。しかし、近年、男性看護師の数が増加しつつあります。とはいうものの、現状は、全体数としては、依然として少ないです。厚生労働省の調査で、看護職員(看護師他、保健師、准看護師含む)の就業者数は 116万32人となっています。このうち、男性看護職員は、全体のわずか4.2%の4万9,075人しかいません。現状は少ないですが、確実に増えつつある男性看護師とどのように関わっていけばよいのでしょうか。次のところでは、「女性看護師は男性看護師をどう思っているのか。」をみていきましょう。
女性看護師は男性看護師をどう思っているのか
圧倒的に、女性が多い職場での「女性看護師は、男性看護師についてどう思っているか」というアンケート調査が行われました。この調査によると、女性看護師は、男性看護師についてポジティブな印象とネガティブな印象の両方を持っているということが明らかになりました。
まず、ポジティブな印象はどんな時に受けるのでしょうか。職場での体力のいる仕事がある時には、体力のある男性看護師は頼りになるし、助かる等の男性のたくましさを期待する良い印象の声が圧倒的多数です。体力面の他に、男性看護師の入職後、職場の人間関係が良くなったことや、男性看護師は優しい人が多い等の声も目立っていました。また、男性看護師に対して、女性社会の職場であるので、働きにくそうに見えて気の毒だという同情の声等もあがっています。
次に、ネガティブな印象はどんな時に受けるのでしょうか。多くの男性看護師は、おおざっぱできめ細かな看護ができていなく、プライドが高いので指導がしづらい等の意見が出ています。
しかし、総体的に男性看護師については、職場の空気が和やかになるという意見と、男女差は別として、その人の能力をみて判断するという意見が最も多かったです。やはり、男女差ではなく、一人の看護師としてどれだけ頑張っているかが重要視されます。
女性看護師が男性看護師に対して、どのように接すればよいか
上記で、男性看護師についての意見をみてきたことにより、「女性看護師が男性看護師に対して、どのように接すればよいか」について、考えていきましょう。おおざっぱで、きめ細かな看護が難しい点は、上司からすれば指導、同僚からすればアドバイスといった形で注意していけばいいかと思われます。ただ、たプライドが高い点、これがあるため、指導やアドバイスがしにくくなります。このような場合、プライドが高い男性看護師にどのように接するかをみていきましょう。接し方は、5つの接し方が良いかと思われます。
Ⅰ.プライドをどの部分に持っているかを見抜こう
男性看護師が、どこに対してプライドを持っているかを知れば、付き合いやすくなります。何事に対してもプライドを持っている人も、その人が一番大切にしている部分を見抜ければ、少しでも、その人を理解する事ができると思います。そうする事によって、どのように指導、アドバイスをした良いかのヒントが見えてくるはずです。
Ⅲ.非を認めない場合、非があった事を理解してもらう
男性看護師でプライドの高い人は、非を認めず、謝らないかもしれません。いや、謝らないことが多いかもしれません。謝る、謝らないは置いておいて、自分自身にも、非があることを自覚してもらう必要があります。いい訳ばかりして、非を認めないのなら、トラブルが起きた一旦は自分にも責任があるんだということ、全面的に、悪いわけでは無いけれど、責任があることを理解してもらいましょう。例えば、仕事でミスをした場合、このことについての対処の目的は、謝ることでは無く、同じミスを繰り返さず、再発をしないことが目的なのです。その為に、謝罪も必要ですが、同じミスを繰り返さないという自覚を本人に芽生えさせることが重要です。
Ⅴ.言葉遣いに注意する
プライドが高い人は、非常に、敏感で傷つきやすい人です。ほんのささいなことでも、不機嫌になってしまうようなのです。不機嫌になっているところを見たら、声を掛けて、不機嫌の理由を聞いてみるのもいいでしょう。その人のどういった面のプライドが傷つけられたのかを探るのです。この点は「Ⅰ.プライドをどの部分に持っているかを見抜こう」と似ているかもしれませんね。
年配の女性看護師さんは以上のような点に気をつけて、男性看護師と接し、体力のいる仕事はお願いしたりして、男女関係なく、それぞれの看護師が切磋琢磨して、より良い看護をめざせるような指導をしていけたらいいのではないでしょうか。
看護師専門用語解説
ミオグロビン
筋肉ヘモグロビンのことです。筋肉中にあるヘモグロビンに似たヘム蛋白質で、酸素に対する親和性が大きく,筋組織中に酸素を貯蔵する役目を果しています。