医療翻訳家になるための学校ではどんな勉強をするの?


医療翻訳家になるための学校ではどんな勉強をするの?通学の費用は?
需要が増えている翻訳業界。中でも、人気のあるトピックである、医療分野。医療翻訳家になって、プロとして仕事を引き受けられるようになれば、今以上に稼ぐことのできる可能性もあるし、手に職をつけることができれば、生涯続けられる職業にすることもできます。しかし、医学知識がゼロだったり、翻訳経験がなかったり、英語力も特別高いわけではなかったり…そんな方にとって、独学で医療翻訳家を目指すのは、イメージしづらく、不安も多いことでしょう。そこで、そんな皆さんをサポートしてくれるスクールについて、ここではどんな勉強をするのかと、その気になる費用についてご紹介します。

必要なのは翻訳の技能+医薬分野の知識

まずは、医療翻訳家に求められる二つの素質について、お話しします。これは大きく捉えると翻訳家として必要な技能、そして医薬分野を担当するうえで必要な、基本~専門までの医学知識の二つであるといえます。翻訳家の仕事とは「原文を読んで訳し、対象言語で文章を書くこと」です。前提として、多くの文章を読む力と、専門用語をわかりやすく説明し、原文に忠実に訳すという書く力が必要なので、翻訳が初めての人は、この翻訳家がもつ技能を鍛えることになります。そのほか、粘り強い探究心や集中力、根気なども、高いリサーチスキルが求められる翻訳家に欠かせない要素です。
また、医療分野を担当するためには、当然その分野の知識に長けていなければなりません。特に、医療分野は馴染みのない専門用語、特殊な略語が多い業界です。報告書や論文、申請資料などを題材に、医療分野の翻訳に必要なテクニカルタームを習得することも避けられないステップです。
独学で学び、トライアルを受ける人もいますが、どちらも初めから独学で学ぶには厳しい内容です。そこで、翻訳スクールでは、これらの医療翻訳家になるために必要なスキルをレベル別に習得できるようなコースが提供されています。
たとえば、文系出身者と理系出身者とで、修得までの道のりも違います。前者は翻訳と医学の基礎を同時に学んでいくスタイル、後者は翻訳の技能を学びつつ、全般的な医学の知識よりも、専門性の高い医学知識を学び、より、実践的なトピックやテーマに対応できる力をつけていくスタイルが典型的です。そういった自分に合った勉強プランを立てやすいようにスクールにはいくつかの講座が用意されています。

スクールはどんなところ?費用は?

多くのスクールが通学講座と通信講座を提供しており、通学講座のみ、通信講座のみも可能ですし、両方の併用も可能なスクールもあります。
通信講座のほうが料金は比較的安いですが、通学講座には、教師からの手厚いフォローアップがあり、すぐに質問できる、一緒に学ぶ仲間ができる、などのメリットがあります。通信講座にも、月数回の添削指導がついている講座もあるので、通信講座のスタイルがあっている人には、おススメです。講座内容はそれぞれのスクールにより、特色もあるので様々ですが、受講期間が週1~2回を約3か月~半年、課題が約20時間(1日3~4時間)分くらいの講座だと、1講座4~8万円ほど。一年間のコースだと15万円ほどです。初回はそれに、入学金が必要になります。翻訳作業に必要な資料の収集、選別方法、クライアントや翻訳会社とのコンタクトの方法など、実務レベルで必要なスキルを教えてくれる講座もあります。また、添削指導はほとんどどの講座にありますが、その分野に精通した日本人やネイティブ講師が指導してくれるところがおススメです。留学経験があったり、海外でずっと仕事をしていたなど、英語となじみのある方は、境遇にあったコースを選択できることもありますので、実際に相談してみるとよいかと思います。

色々とスクールを調べてみましたが、どんな講座を受講するにしても、TOEIC600点以上は最低求められる条件といえるように感じます。中学英語や文法から復習してくれるスクールもありますが、その先も長い道のりなのが、医療翻訳の世界。基本的な英語力は前提として身に着けておかないと、講座についていけなかったり、挫折もしかねません。また、需要が多く、不況に強い医療翻訳の業界。プロとしてレベルアップしていこう、となると、さらなる翻訳の正確性、表現力、商品性といったものも必然的に必要になってきます。場合によっては追加でコースを受講したり、独学で新たに知識を学ぶ必要性も出てくるかもしれません。挫折することなく、翻訳の勉強を続け、スキルアップによって評価を得られる医療翻訳家になるためにも、自分に合ったスクール選びを心がけましょう。