前回の記事で触れたように、看護師として転職を考え、現在の職場を退職する際には、必要書類の準備や、引継ぎ業務など、退職前にやっておくべきことが多くありました。
↓前回の記事
今回は退職が済んだあとにしなければならないことも含めて、退職する際にしなければならないことを整理していきましょう。
目次
病院に返すもの・もらうもの
貸与と支給
病院を退職する際には、職場から「貸与」されたものは返さなくてはなりません。
例えば、白衣やカーディガンなどのユニフォームやネームプレート、個人ロッカーの鍵、閉鎖病棟の鍵などです。
中には、ユニフォームを「支給」してくれる病院もあると思いますが、そういったものは返す必要がありません。支給されたものを返却しに行ってしまうと、むしろ病院側も処分する手間がかかってしまいます。
病院に返すべきものはどれなのかをしっかりと確認しておくことで、自分も病院も余計な手間をかけずに済みます。
退職時に受け取っておくべきもの
病院に返却するべきものがある一方で、退職時に病院から受け取っておくべきものもあります。
- 雇用保険被保険者証
- 離職票
- 年金手帳
- 源泉徴収票
雇用保険被保険者証
これは、退職後の雇用保険の手続きの際に必要になるものですが、退職する際に、この雇用保険被保険者証が必要であるということを病院に対してしっかりと申請しておきましょう。
退職後に病院から自宅に送られてくるのが一般的ですが、実は、病院側には、送る義務がありません。
この申請を忘れていると、いつまで待っても自宅に送られてこなくて保険の手続きが出来ない。といった状況になることもあります。
離職票
「離職票」は、退職後に、失業手当の受給申請を行う際に必要となるもので、通常、退職から10日以内には病院から交付されます。
自宅に届けるのか、それとも病院で受け取るのか、など交付の仕方は職場によって異なるので、事前に確認したり、職場の事務と相談をしておくことが必要です。
ちなみに、失業手当は、退職後に、転職先が決まらない人が、失業している期間に受け取る手当なので、退職後にすぐに働き始めるということが決まっている人は、この失業手当の申請は必要ありません。
しかし、自分が以前の職場を辞めたこと、それを病院側が承諾したことを証明する書類のひとつであるので、やはり受け取っておいた方が良いでしょう。
年金手帳
「年金手帳」なども受け取っておくべきです。年金手帳は厚生年金に加入していることを証明する書類として大事ものです。
失業中や、転職先でも社会保険の加入などに使うので、もし職場に預けたままになっていたら返却してもらいましょう。病院に限らず、会社などに勤めているときはその職場の社会保険にも加入する必要があります。
入職する際に職場に持っていった記憶があるかもしれません。通常、社会保険の加入の際に使ったら、あとは職場側が持っている必要がないのでその時に返却されるものですが、慣例として、職場で預かるところもあります。
退職する際にこの年金手帳が手元にあるかどうかを確認して、ない場合は返却して欲しいと病院の事務に伝えましょう。
源泉徴収票
最後に「源泉徴収票」です。これは、税金の申請に必要になる書類ですが、同一の年内での転職であれば、転職先の病院に提出する必要があります。
また、翌年などに転職するといった場合であっても、確定申告を行う際に必要となってくるので、病院の事務を通して、発行してもらえるように申請を行いましょう。
いよいよ退職!挨拶までぬかりなく
挨拶回りで気持ちの整理を
これまでに紹介したやるべきことを行うと、退職日が近づいてきます。退職日前に必ずしておかなければいけないのが、挨拶回りです。
いままでお世話になった、医師や看護師など、先輩や後輩を問わず、気持ちのいい挨拶を心がけましょう。
自分が辞める原因となった意地の悪い先輩や、恋人争いでトラブルになった同僚もいるかもしれません。そんな時こそ、あえて、しっかりとした別れの挨拶をすることで、自分自身の気持ちにも整理がつき、次の職場への良いスタートが切れると思います。
業界狭いよ!看護部長には絶対挨拶を忘れないように
挨拶周りをするときには、まず初めに看護部長への挨拶をしてしまうのが良いでしょう。看護師の皆さんは身に染みていることかも知れませんが、医療業界は狭いので、看護部長への挨拶が後回しになると、転職先でも悪い噂が流れてしまうかもしれません。
人間関係を良い状態にして退職するためにも挨拶は大切にしましょう。
~看護師の業界用語~(おまけ)
アナムネ…アナムネーゼの略
アナムネは、患者本人やその関係者から入院までの経緯を聞くことを言います。これをドイツ語でアナムネーゼといい、その略語が日本の看護師業界でも用いられています。