専門看護師 – 看護師キャリアアップ資格を徹底攻略!

自分の将来を考えると、看護師免許だけでいいのかと不安に思っている方も少なくはないと思います。

そこで給料やキャリアを上げるために看護師が取得することが出来る資格のひとつとして「専門看護師」について紹介します。

専門看護師とは?

専門看護師とは特定の医療分野のエキスパートのことです。

しかし、同じように専門分野をもつ看護師である「認定看護師」とは、業務内容が異なり、患者さんだけでなく、その家族や地域も対象としてケアを行っていくのが仕事です。

認定看護師はこの記事で紹介しています

認定看護師 - 看護師キャリアアップ資格を徹底攻略!
看護師として働き始めたものの、ただの看護師免許だけでこれからの看護師としてキャリアは大丈夫かなぁ。もっと給料を上げるにはどうしたらい...

知っていますか?専門看護師までの道のり

では、その認定看護師になるには何をしたら良いかを知るために、専門看護師にまでの流れを整理していきましょう。

看護師免許

専門看護師になる条件として、まずは看護師免許を持っていることが必要です。

教育関係

看護系大学院修士課程を修了していて、日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得していること

認定看護師と異なり、専門看護師は、看護系大学院の修士課程2年間を修了している必要があり、さらに加えて専門看護教育を26単位あるいは38単位取得しなければなりません。

実務経験

看護師としての実務経験が5年以上必要であり、そのうち3年間専門看護分野での実務経験であること

実際に、看護師として働いた期間が5年間なければならず、さらにそのうちの3年間は「がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性・重症患者看護、感染症看護、家族支援、在宅看護、遺伝看護、災害看護」の13個の専門看護分野のうち、自分が専門としたい分野での実務経験が3年間なければいけません。

認定審査

上記の条件を満たすことで、専門看護師認定審査の受験資格を得ることが出来ます。必要書類を提出する一次審査を越えたあとには、二次審査として筆記試験が待っています。

専門看護師認定証交付・登録

認定審査を合格することが出来れば、専門看護師として認定・登録を受けることが出来ます。

専門看護師になるための費用や時間は?試験は難しい?

必要な費用

専門看護師になるためには、大学院や専門教育機関などの各種教育施設に通う必要があるため、入学試験受験料、学費、実習費、認定審査費用や認定料などを合わせて、200万円ほど必要であると言われています。

必要となる金額は、教育施設ごとに異なるので、自分が専門としたい分野を学べる機関では、どのくらいの金額がかかるのかを調べる必要があります。

週末に講義を行うことで働きながら通うことが出来る教育機関もあるので、実務経験を積みながら専門教育カリキュラムを終わらせることが専門看護師への近道になります。

その際には、働いている病院側のシフトの関係もあるため、上司と相談をするようにしましょう。

必要な時間

専門看護師になるために必要な時間ですが、看護師免許を取るまでの数年に加えて、看護系大学の修士課程2年間、看護師としての実務経験が5年間必要であるため専門看護師になるには、認定看護師よりも時間が必要です。

認定審査

認定審査は、1年に1回行われ、一次審査として書類審査、二次審査として120分で論述式の筆記試験が課されます。

筆記試験の会場は東京で、全国で1か所になります。試験が論述式であるために、マーク式の筆記試験だけである認定看護師試験に比べて難易度が高く、2016年では認定看護師の合格率が90%以上であるのに対し、専門看護師の認定審査合格率は78.7%と低くなっています。

専門看護師になると変わることって?

専門看護師の気になる手当

専門看護師になることで、どれだけ給料アップが望めるのかというのは誰しもが気になることだと思います。

しかし、日本看護協会の調べでは、60%以上の専門看護師が、給料に変動はなかったと回答しており、また、昇格や給料アップがあったと回答している人は10%ほどです。

昇格や給料アップはないが、手当はあると答えた人も10%程いますが、手当の金額は1万円から3万円程度であると言われています。

しかし、通常の看護師と比べて、業務内容上、夜勤などが減る傾向があるために、夜勤手当がなくなり、給与の平均額としては通常の看護師とほとんど変わらないようです。

専門看護師になるメリット

では専門看護師になるメリットは何かというと、医療技術の向上や、専門分野におけるプロフェッショナル性、自分自身の医療への意識の向上など、キャリアアップという面が大きいようです。

自分が看護師として働く上での充実感を感じ、看護医療の発展のために寄与したいと考える人であれば、持ちたい資格であることに間違いないと思います。

しかし、単純に資格を持つだけでは給料アップにつなげることは難しいようなので、資格を取ることで自分自身の評価を高めて、職場での昇格を狙うという方法が給料アップの為には大切かもしれません。

~看護師の業界用語~(おまけ)

アイテル…褥瘡や創などからの排膿

ドイツ語で傷口から排出される膿のことをEiter(アイテル)というので、そこから由来して、日本の医療業界でもアイテルという用語を用いています。