看護師として働き始めたものの、看護師免許だけでこの先やっていけるのかな…。そもそも本当に看護がやりたいのかな…。という考えが頭によぎる看護師の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は看護師のキャリアアップとして、「ケアマネージャー」について紹介していきたいと思います。
目次
ケアマネージャーの仕事内容
ケアマネージャーとは正式には「介護支援専門員」といい、保健、医療、福祉の分野での実務経験がある人が持つことが出来る資格で、その名の通り介護を専門とします。
支援が必要である人やその家族と相談し、家庭環境や、被支援者の心身の状態なども考慮しつつ、最適な介護サービスを提供できるように、サービスのデザイン、マネジメントを行うことを仕事としています。
知っていますか?ケアマネージャーまでの道のり
ケアマネージャーになるにはどうしたらいいのだろう?その疑問を解決するためにも資格取得までの流れを整理しておきましょう。
「介護支援専門員実務研修受講試験」の受験資格を持つ。
まずは、資格取得のための受験資格を持っていなくてはなりません。受験資格を持つのは、以下の条件の人です。
- 医師、歯科医師、看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士などの資格を持ち、そのうえで5年以上の実務経験を持つ人。
- 生活相談員、支援相談員、相談支援専門員などとして、5年以上の相談業務の実務経験を持つ人。
- 1.の資格はないが、特別養護老人ホームや在宅医療サービス業などでの実務を5年以上経験した人。
「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する。
上記の受験資格を得て、試験に合格しなければなりません。
「実務研修」を行う。
試験に合格したら、計87時間以上の実務研修を行うことになります。
資格の交付・登録
実務研修を終了したら、各都道府県ごとの介護支援専門員名簿に登録し、介護支援専門員証が交付されるという流れになります。
ケアマネージャーを目指す…費用は?時間は?試験は難しい?
ケアマネージャーを目指すにあたり、資格取得までにかかる費用や時間、資格試験の難易度などは気になりますよね。まずは、必要となる費用から見ていきましょう。
必要な費用
必要な費用ですが、試験勉強にかかる費用は1000円程度で済む人から、15万円位必要になる人まで個人差があります。
受験の申込料は都道府県によって異なり、安い県では6700円、最も高い東京では9200円となっています。
その他にも、都道府県ごとに異なりますが、実務研修費用が1万円から3万円程度必要になるので、おおよそ5万円から15万円程度は必要になると言えます。
必要な時間
ケアマネージャーの資格を取得するために必要な時間は、試験勉強時間に、受験資格である実務経験5年間、実務研修87時間を合わせた時間が必要になります。
次に試験に関してですが、試験は年に1回、10月に行われています。
試験会場は各都道府県に設けられていて、試験は全国的に行われます。試験時間は120分で、マークシートによる五択問題が60問出題されます。
試験の合格率は毎年17%前後と低く、難易度は高いものとなっています。ケアマネージャーの試験では、毎年、各分野ごとに合格基準点が定められてます。
正答率70%がおおよその目安ですが、その年の難易度によって、点数の補正がされています。
こんなメリットがケアマネージャーには…
看護師からのキャリアアップとして、ケアマネージャーを紹介してきましたが、そうなると、やはり看護師よりもケアマネージャーが優れているメリットというものが気になりますよね。
ケアマネージャーの平均年収
まずは収入に関してですが、実は、ケアマネージャーの平均収入は、370万円と、看護師の平均年種である520万円に比べれば大きく下がります。
これは、看護に比べて、介護の職業が国家資格などが無くても行うことが出来るものだという社会的な需要と供給の考え方からきているものかもしれません。よって、収入のアップはあまり期待できそうにありません。
ケアマネージャーのメリット
ケアマネージャーという仕事は、現在、人手不足である介護職なので、就職・転職がしやすく、自分に合った職場を探しやすいというメリットがあります。
また、高齢化している現代社会においては、介護の需要は高まっていく一方ですので、これからケアマネージャーの地位はますます上がっていくと考えられます。
さらに、なんといってもケアマネージャーの魅力は、自分でプランして介護全体をコーディネートすることにより、自分がやりたい仕事を出来ているという充足感と、支援している人やその家族に感謝されたときのやりがいが非常に大きいということだと思われます。
~看護師の業界用語~(おまけ)
アトピー咳嗽(あとぴーがいそう)
喘息発作を起こさないがいつまでも咳嗽が続いている状態。喘息咳と異なり、喘息の代表的な治療薬である気管支拡張薬の薬効が低いのが特徴です。