神経内科の看護師はどんな仕事をしてどんな人に向いているのか、またどんな知識が必要なのか、簡単にまとめたので参考にしてみてください。
神経内科の看護師の役割とは?
神経内科というと他の科と違い、扱う疾患がすぐには思い浮かばず、漠然としたイメージを持っている人も多いと思います。神経内科では、脳や脊髄、神経・筋肉に関係する疾患を扱っています。つまり全身の幅広い範囲を診ていることになります。精神神経科や心療内科とはまた違う領域です。分かりやすい例では片頭痛などの頭痛、高齢化に伴い注目されているアルツハイマー病、全身の筋肉がだんだん動かなくなっていくALS(筋萎縮性側索硬化症)などがあります。
神経内科の看護師の主な仕事は検温、採血、バイタルチェックなど他の科と同じようなものから、排せつ介助、食事介助、リハビリ介助などがあります。急性期なのか、慢性期・回復期の患者さんなのかで仕事内容が異なります。急性期では緊急性の高い脳出血や脳梗塞、脳卒中などの患者さんが多く、緊急入院してくる場合が多いです。そのため看護師は患者さんのバイタルサインのチェック、神経症状の変化、異常の早期発見が重要な役割になります。急性期の患者さんでは初期での迅速な治療の有無により後遺症や麻痺の程度が左右され、今後の人生に関わってきます。そのため異常をいち早く発見し医師に伝え、治療につなげていくという重要な役割があります。
慢性期では体が動かせない、体が麻痺しているというように自分ではうまく日常生活ができない患者さんが多くなりますので、排せつや食事などの介助という仕事も必要になってきます。脳血管障害のように麻痺のある患者さんでは、日常生活に復帰できるようにリハビリの援助を行ったりもします。リハビリも兼ねながら、症状や疾患の進行程度に応じて臨機応変に介助の程度を決めていくのも仕事のひとつになります。また神経内科では未だに治療法が確立されておらず、完治が難しい疾患も数多くあり、進行が止められず苦しい思いを抱えている患者さんが他の科よりも多いです。また後遺症や麻痺に対して長いリハビリを頑張っている患者さんなどもたくさんいます。そのため患者さんの精神面をのサポートし、リハビリや治療、そして生きることに前向きになってもらえるように支えることも重要な役割になります。このように神経内科での仕事は多種多様で他の科より専門性や特殊性が高く、その分やりがいも多い科と言えるでしょう。
給料はどれくらいもらえるのか?
転職の際に気になるのがお給料についてですよね。月収は平均して25〜35万程度になります。看護師全体の平均よりはやや高めです。この中には夜勤手当、時間外手当なのど諸手当こみになりますが、年齢により変動もあります。神経内科は専門の知識が必要になることが多くキャリアを積むことで平均以上の給与の獲得を狙うことが出来る科になります。給料アップにつながる資格については”キャリアアップができる資格とは?”で詳細を紹介します。
どのような人が向いているのか?
先ほども述べた、神経内科の仕事は多種多様です。急性期の患者が運ばれてきた際は、意識が無い状態など命の危険にさらされている状態にあるので、状態が落ち着くまで緊張感のある現場になります。そのため判断の早い人、冷静さのある人に向いています。また麻痺のあったり、神経症状などにより体の自由がきかず介助が必要な場合が多くあります。そのため排泄、体の向きの移動など患者さんの体を支えたりすることも多くなり、体力面に自信のある方が向いているといえます。さらには、完治の難しい患者さんや厳しいリハビリに耐えている患者さんたちの心に寄り添い、サポートしていく力が必要になります。そして神経内科では他の科との連携・チームワークが重要になることが多くあります。そのため忍耐強い人、コミュニケーション能力が高い人が向いています。
キャリアアップができる資格とは?
キャリアアップにつながる資格は多数ありますが、ここでは2つに絞って紹介します。また必ずしも給料アップにつながるというわけではないですが、自分の仕事をアピールするきっかけになります。
・集中ケア認定看護師(主に急性期の疾患に対して)→平均1万円程度の給料アップ
・脳卒中リハビリテーション認定看護師
これらの資格に関します詳細は、個別に詳細を書いておりますので、そちらを参考にして下さいね。
〜看護師の業界用語〜
内服管理
医師から処方された薬の用量・用法を正しく守って服薬しているかどうかを管理すること。主に薬の準備や服薬の介助、記録などを行う。