耳鼻咽喉科の看護師の仕事とは

耳鼻咽喉科の看護師はどんな仕事をしてどんな人に向いているのか、またどんな知識が必要なのか、簡単にまとめたので参考にしてみてください。

耳鼻咽喉科の看護師の役割とは?

耳鼻咽喉科の扱う領域は少なく思われますが、耳・鼻だけでなく咽頭、喉頭、甲状腺など頭頚部も含まれるため幅広い疾患が対象になります。耳鼻咽喉科と聞くと花粉症やアレルギー、中耳炎などが思い浮かべやすいと思いますが、その他腫瘍、外傷、睡眠時無呼吸症候群、難聴など内科的領域から手術が必要な外科的領域まで様々な疾患が挙げられます。そのため、手術を扱うかどうか、どの範囲まで扱うか病院により差があります。看護師の仕事内容もそれにより大きく異なってきます。近年は幼児期の育つ環境の変化により、花粉症をはじめとするアレルギーをもつ人が増えてきているため、耳鼻咽喉科の需要も高まってきていると言えます。

今回は手術も扱う病院という前提で仕事内容を紹介していきます。耳鼻咽喉科の看護師の内容は注射、点滴、などの一般業務に加え、吸入器の指導・説明、聴力検査など検査、手術を行う場合は術前準備、術後管理などの仕事もあります。耳鼻咽喉科では、注射、点滴などの医療手技はやらないわけではありませんが、特に手術を扱っていない病院などでは手技を行う頻度は低くなります。その分耳鼻咽喉科特有の検査機器・医療機器があるので、その使い方など専門な勉強をする必要があります。仕事内容てきには、そんなに多くありませんが、花粉症の時期や風邪をひきやすい時期は患者数が急増するので、テキパキと処置していかないといけません。また、子供は耳鼻科系が弱く、耳鼻咽喉科にも治療にくる割合が高くなります。耳や鼻、のどに医療機器を入れられることを嫌がったり、動いたりしてしまう子もいるので、子供たちを落ち着けて、素早い処置をします。

一般的なクリニックや小規模な病院では内科系が中心になりますが、大規模な病院では腫瘍、外傷など手術や外科的な治療を必要とする患者さんも多くいます。喉頭がんなど頭頚部の腫瘍などでは、嚥下障害、発音障害がある人もいます。うまく言葉が発せられない患者さんに寄り添い、なにを訴えているのかどうしたのかを看護師がうまくよみとらなければいけません。同様に難聴などで聴力が低下している患者さんにどう伝えるかなど、患者さんの症状に合わせて表現の仕方を変えなければいけません。患者さんとのコミュニケーション能力が問われません。また摂食・嚥下障害があればその介助も重要な仕事になります。

今まで述べてきたように、病院により耳鼻咽喉科の仕事の内容には差があるので、自分は何がしたいのか、何が向いているのかを考えてから病院選びをしてみましょう。“どのような人が向いているのか?”で説明しているのでそちらを見てください。

給料はどれくらいもらえるのか?

転職の際に気になるのがお給料についてですよね。耳鼻咽喉科の看護師の平均月収は20〜30万円程度になり、一般の看護師の平均より少し低いか平均並みとなっています。夜勤があるかどうかにより平均には幅があります。
月収給料アップにつながる資格については”キャリアアップができる資格とは?”で詳細を紹介します。

どのような人が向いているのか?

耳鼻咽喉科では、季節によっては大勢の患者さんが押し寄せてくる可能性があるので、状況をみながらテキパキと行動できる人に向いています。また子供の患者さんも多く、子供を安心させ、とうまく接するできる人に向いています。聴力に問題がある人や腫瘍によりうまく声が出せないような患者さんもいるので、患者さんに寄り添い慌てずに接することのできる人、表現力のある人に向いています。

また手術を行わない病院を選べば、夜勤などもなく仕事内容はそれほど多くならないので、家庭と両立にしたい人、プライベートも大切にしたい人に向いています。

キャリアアップができる資格とは?

キャリアアップにつながる資格は多数ありますが、ここでは2つに絞って紹介します。また必ずしも給料アップにつながるというわけではないですが、自分の仕事をアピールするきっかけになります。
・がん放射線療法看護認定看護師→平均1万円程度アップ
・摂食・嚥下障害看護認定看護師→平均1万円程度アップ
これらの資格に関します詳細は、個別に詳細を書いておりますので、そちらを参考にして下さいね。

看護師の業界用語

認知症(にんちしょう)
後天的な脳の組織の物理的な障害によって、中核症状(記憶や認知機能の障害)や、周辺症状(幻覚・妄想、徘徊、異食、睡眠障害、暴言・暴力などが出現する病気。アルツハイマー病などが原因疾患の代表格である。