放射線科の看護師の仕事とは

放射線科の看護師はどんな仕事をしてどんな人に向いているのか、またどんな知識が必要なのか、簡単にまとめたので参考にしてみてください。

放射線科の看護師の役割とは?

放射線科と言われると、診断のための検査をするところ?放射線治療を行うところ?などイメージはつきやすい科ではあると思いますが、実際に放射線科の看護師の仕事内容は分からない部分が多いでしょう。そこで今回は、放射線科の看護師がどんなことをしているのか簡単に説明していきます。放射線科は画像診断部門、核医学検査・治療部門、治療部門の主に3つに分けられ、治療部門はさらに放射線治療とIVR(インターベンショナルラジオロジー)などに分けられます。それぞれの部門により仕事内容も異なりますし、病院によっては扱っている部門にはばらつきがあるので、病院選びには注意しましょう。

患者さんはそれぞれの科に入院するため、放射線科の看護師は夜勤や急変・救急対応はなく外来勤務となることがほとんどです。まず画像診断、核医学検査では、他の科からのオーダーにより検査をしていきますので、呼吸器内科・外科、消化器外科、脳外科、胸部心臓外科・・・など様々な科から依頼があり、それによって検査の内容もことなります。そのため他の科と連携・橋渡しをするのは看護師の役割になります。検査自体は放射線科の医師、放射線技師が行うため、看護師はその検査の補助が中心になります。他の科からきた患者さんを案内したり、検査に適した服装、姿勢をとってもらうように説明をしたりします。看護師はその検査自体は行わないものの、レントゲン、CT、血管造影など種々の検査の知識をもち、患者さんに説明できなければいけません。患者さんは検査の際閉鎖された空間に一人入り検査する場面も多々あるため、不安を取り除くように納得な説明がされないと、不安や恐怖で検査中に動いてしまい、何回も検査しなくてはいけなくなります。検査の分野において、看護師が点滴、注射、採血などの医療手技を行うことは少なくなるので、看護師としての医療手技のスキルアップは適しませんが、放射線科では専門性のある特殊な検査の知識が必要となるため、初めて働く場合は勉強することになるでしょう。また緊急に検査のオーダーが入る場合もあります。脳血管障害の疑いがある患者さんが搬送されてきた場合は、原因究明のためにも早く、適格な検査が必要です。看護師は緊急の検査でも冷静に検査の準備、補助を行っていきます。

放射線科が行う検査はたくさんありますが、放射線科での治療となるとさらに治療方法が増え、専門性も高くなります。治療の際に使う医療機器は最先端のものも多く、看護師も日々学んでいくことが多いです。まず放射線を患部に照射する放射線治療を行う患者さんの多くは悪性腫瘍、がんを患っています。放射線を体に照射するということは、腫瘍を殺すとともに正常な組織にも悪影響がでるため、副作用を伴うこともあります。治療に対して不安、抵抗感を抱いている患者さんのためにも治療・副作用の説明、そしてがんを患ってしまったと気持ちが沈んでいる患者さんの精神的なケアを行うことは看護師の大切な役割になります。放射線科での治療は放射線治療だけではありません。血管内治療、カテーテルやステント留置、など投影下での処置・治療なども行います。放射線科と言えば内科的要素が多いイメージかもしれませんが、外科的手技、手術もします。看護師は処置に使う医療機器、器具の準備、処置中の患者さんの状態管理なども行います。放射線治療とは異なり、緊急に行う治療も含まれてくるので、治療内容を素早く把握し仕事を行う必要があります。

給料はどれくらいもらえるのか?

転職の際に気になるのがお給料についてですよね。放射線科の平均月収は約25万円程度になります。一般的な看護師の平均、または平均より少し少なめになります。これは、放射線科はほとんど夜勤がないためです。
月収給料アップにつながる資格については”キャリアアップができる資格とは?”で詳細を紹介します。

どのような人が向いているのか?

他の科とは違う専門性の高い検査、治療を行う科になるので、勉強熱心な人、向上心がある人が向いています。また放射線科はさまざまな科と関わりをもって検査、治療をしていくことになるので、チーム医療でもあります。そのため物怖じしない人、チームワークのある人に向いています。

キャリアアップができる資格とは?

キャリアアップにつながる資格は多数ありますが、ここでは2つに絞って紹介します。また必ずしも給料アップにつながるというわけではないですが、自分の仕事をアピールするきっかけになります。
・がん放射線療法看護認定看護師→平均1万円程度アップ
・インターベーションエキスパートナース
これらの資格に関します詳細は、個別に詳細を書いておりますので、そちらを参考にして下さいね。

看護師の業界用語

ネラトンカテーテル
ゴム製またはシリコン樹脂製の先が鋭くないカテーテルのこと。ほとんどが単回使用。主に膀胱内に挿入し、導尿や採尿する際に使用される。