お年寄りの対応が増え、困っている

現在の日本での高齢者の割合を知っていますか?65歳以上の高齢者は、人口は3461万人、総人口に対する割合としては27.3%で、増加傾向にあります。これは当然病院来院される高齢者の数も増えますし、若い一人の看護師に対して受け持つ高齢者の患者の数が大きくなるのは納得できるでしょう。しかしその対応の中で、お年寄りからの暴力やセクハラ、女性蔑視などに困ったことはありませんか?今回はそのような悩みについて考えていきます。

お年寄りによるトラブルにはどんなものがあるの?

冒頭で述べましたように、年々お年寄りの数・割合が増え、当然一人の看護師が受け持つお年寄りの患者の相対数も多くなっています。それによるトラブルにはどんなものがあるのでしょうか。近年問題になってきているのが、暴力・セクシャルハラスメント・女性蔑視についてです。以下ではこれらのそれぞれの問題についての概要と対策について紹介します。

お年寄りが暴力をふるうって本当なの?

まず暴力に関する問題をみていきます。病院などの医療施設に限らず、お年寄りによる暴力事件は増加傾向にあります。これは、患者さんに個人の特権意識があるひとにしばしばみられる事件で、自分には特別にしてほしいという願望や、診察の時間に関して、自分を特別に早く診てほしいという要望などがあり、それらの欲求がうまく思い通りにならないときに、暴力により欲求を通そうとする場合もあるようです。また、そういった暴力をしてしまう人は、若いころなど昔に上流階級に位置していたひとによく見られます。昔の経験により思い通りにならないことに対して耐性がなく、暴力による解決に向かってしまう傾向にあるかもしれません。また、認知症などの疾患により人格や性格が変化し、暴力を振るうようになってしまうこともあります。これについて、どのように対策すればよいのでしょうか。

お年寄りの暴力についての対策としては、怒りに対してこちら側も怒りで返さないことが第一です。もし怒りで返した場合、エスカレートしてしまいます。また、私の悪いところをご指摘していただけませんか、と教示を乞うこともひとつの対策です。

お年寄りに関係するセクハラってどんなこと?

次にセクハラについての問題を見ていきます。近年、介護や看護を受けている老人によるセクハラが問題になっています。介護士や看護師が、老人またはその家族からセクハラを受けた経験のある割合はおよそ4割と高く、訪問看護などの在宅医療に関して焦点を当ててみるとさらにその割合は高くなります。老人からのセクハラの内容は、身体を触るとういった内容が最も多く、続いて卑猥な冗談を言われたり、その家族からセクハラを受けたりといった内容が実経験としてのアンケートにより明らかになりました。こういった老人からのセクハラに対してはどのように対策すればよいでしょうか。まず、行為を受けた時点でできるだけ大きな声でやめてほしいという意やいけないことだという意を本人に伝えましょう。それでも収まらないときは、上の人に相談しましょう。その他、患者さんのご家族にセクハラについてしっかりと説明します。看護の現場や介護の現場では、セクハラが絶えることがないのが依然として問題視され続けていますが、男性の看護は男性の看護師に代わってもらうなどの対策法もあります。これを実現するためには男性の看護師業界への進出のキーポイントになります。

女性蔑視ってなに?

女性蔑視とは、ミソジニーとも言い、女性や女らしさに対する嫌悪や軽蔑した見方をすることです。これには性的暴力やセクシャルハラスメントも含まれます。このほかに女性の看護師さんを悩ませる女性蔑視は、暴力まで行かなくても暴言を浴びせたり、女なのに○○といった偏見をもった発言をされたりすることなどがあります。こういった女性蔑視についての対策は、本人にそれは古典的な考えですよということをやんわりと伝えることも有効です。あたりが強く伝わってしまうと暴力や身体的なセクシャルハラスメントにつながりかねないので気を付けましょう。また、女性蔑視についての問題は、男性の患者に限った話ではなく、女性の高齢患者にもあります。女性だからこそ嫌味を言われることもあるので、ストレスをためないうちに周囲への相談をしましょう。

看護師の業界用語

<肝メタ>

肝メタとは、肝臓メタスターシスの略で、ガンが肝臓に転移していることを指します。主に転移性肝がんのことを指しています。体の中でも肝臓はがんの転移先として多くみられ、特に胆管を通じて胃がん、膵がんの転移がしやすくなっています。肝転移しているということは元の癌のステージはⅣ期であり、末期の状態です。