看護師同士のマウンティングがつらい

看護師として働いている環境で、マウンティングに悩んではいませんか?ICUか一般病棟か、大卒か専門学校であるか、こういった違いから発生したマウンティングによって働きにくくなったり、日々重い気持ちになったりしている方がいらっしゃるのではないでしょうか。その悩みは、自分一人で抱え込んではいけません。同じ悩みを持っている人が他にもいるので、以下を読んで参考にしてみてください。

マウンティングって何のこと?

マウンティングとは、本来は動物において、自分の優位性を示すために相手に対して馬乗りになる様子のことを言います。ここでは、人間関係の中でひとが言葉や行動によって、直接的・間接的に、自分が他者よりも優位にある、上位にいるとランク付けすることです。このマウンティングは女性特有のものであり、それはつまり職業として女性の割合が高い看護師ではマウンティングが起きやすくなることを意味します。次の段落で具体例を挙げて説明していきます。

看護師間のマウンティングは、どんなケースがあるの?

まず、職場の配属先の違いによるマウンティングがあります。たとえば、ICU勤務であるか、病棟配属であるかです。ICU勤務経験があるほうが、立場が上だと認識して発生することが多いようです。確かにICUでの看護師の業務は病棟での業務と比較してみると大変で、雰囲気・空気の独特でストレスがたまりやすい職場であるようです。それにしたがって、ICUで働いているまたは勤務経験があることでのマウンティングが発生します。

次に、大学を卒業しているか、はたまた専門学校を卒業したかによるマウンティングの発生です。在学期間の長さの違いについて大学は4年、専門学校は2年という違いがあり、看護師として働いた年数は同じ年齢でも専門学校をでた方のほうが長いです。つまり専門学校を終わった人のほうが職場としては先輩となります。しかし一般的にみて大学卒業しているほうが優秀だというイメージのもと、大卒の看護師から見て専門学校を卒業して看護師に対してマウンティングを起こしてしまうことがあります。事実として、大卒のほうが給料や資格についても優位になることは多いです。

また、美容外科など一部の診療科では、営業ノルマがあり、このマウンティングによる看護師同士での格付けのし合いが起こります。

さらに、仕事内容と関係なく、男女の付き合いに関しても上下関係を意識しがちです。たとえば「最近旦那(彼氏)とどう?・・・わたしの旦那(彼氏)はね~~」という風に付き合いのある男性に関して自分のステータスとしての格付けもしばしばみられます。

また、社会経験のある看護師と、新卒で最初から看護師として働いている人の間でもマウンティングは発生します。大卒と専門学校卒業の違いでの発生と同じように、社会経験のない看護師のほうがキャリアは長いけれども、年齢としては年下であるというような複雑な環境があることに起因して人間関係に不具合が生じることがあります。

こういったマウンティングを放置して深刻化していくと、ストレスフルな職場となり、人間関係がうまくいかないことによる業務への支障や退職にもつながっていきます。対策をしっかりととり、良好な人間関係を築いていきたいですね。

どうやってマウンティングを克服しよう・・・

マウンティングは女性特有であると述べましたが、この原因は、他者との関係の距離感を縮めすぎてしまうことにあります。看護師という職業は患者との親密なコミュニケーションが必須となるものであり、もちろんスタッフ同士のコミュニケーションも必要になります。看護師同士の距離感を縮めていくのは良いことですが、どんなに親切にしてもらっている相手でも安易に信じ切ってしまうのではなく、適度な距離感を保ちましょう。女性は、態度や感情がちょっとしたことで豹変することも十分にあり得るからです。

また、自分が直接マウンティングに巻き込まれないようにするためにも、職場の同僚・先輩・後輩に対して見合ったスタンスを意識していくことが重要です。もしマウンティングに巻き込まれてしまった場合は、あまり気にしないように、タフな心持ちで過ごしましょう。ひどくなってきたときは、相手が自分をひがんでいるのだ、と温かく見守ったり、ここは自分が大人になるときだなと認識したりすることで多少気にならなくなると思います。

営業ノルマがあることによるマウンティングについての対策は、自由診療クリニック以外の職場に転職することをおすすめします。ノルマがなく、人間関係の良好な美容外科クリニックや、透析クリニック、訪問看護ステーションも転職先として良いでしょう。

看護師の業界用語

<駆血帯>

採血をするときに使う、血液をうっ血させるためのゴムのことを指します。