守秘義務があいまいな同業者に困っている

一日の業務が終わり、同業者と居酒屋へ行き、患者の愚痴を聞く・・・お昼の休憩時間に同業者とランチ。ついつい患者さんの愚痴を聞いたり漏らしたりしてしまう・・・なんていうことになることはありませんか?医療従事者として働いていくうえでとても重要になってくるプライバシーに関する問題、守秘義務について今回見直してみましょう。

守秘義務とは?

まず、守秘義務とは一定の職業や職務に従事するものに対して、特別に課せられる職務のうえで知った秘密・個人情報を守る法律上の義務のことです。刑法134条によると、「医師・看護師・助産師・弁護士・弁護人・公証人または上記の職にあったもの」に対し、正当な理由なしには、業務で取り扱ったなかで知った人の個人情報や秘密を洩らした場合には、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金に処す。と定められています。これは、職務において患者さん、またそのご家族に関するプライバシーにかかわる内容や秘密については、守秘義務があるということです。また、看護師についての守秘義務の規定については、保健師助産師看護師法第42条の2で定められています。国家試験の守秘義務に関する問題が出題されたと思います。資格を取ってしまってからはその知識や意識は薄れてしまっているかもしれませんが、見直してみましょう。

その会話、大丈夫?

仕事が終わったあと、看護師同士でご飯を食べに行ったり、同業者で呑みに出かけたりする場面は多いですよね。その時注意したいのは、会話の内容とボリュームです。あなたが話している場面だけではなく、一緒にいる人が話している場合についても同様です。看護師は患者さんとの良好な信頼関係を築くために、患者さんやそのご家族と密にコミュニケーションをとるので疾患についての現状や治療についての具体的な状態はもちろんのこと、生活の背景やプライバシーに関することも知り得てしまいます。これが、特殊なものだったり興味のある内容だったりする場合、他人に話してしまいたくなるのは理解できますが、守秘義務を全うしなければなりません。軽い気持ちで話してしまったことが、たまたまそこに居合わせた当事者の関係者や、噂がまわりまわって本人まで伝わり、トラブルが起こる可能性もあります。実際に、ある患者の余命に関する情報を含む内容の会話を公共の場でしていたところ、近くにいたひとから噂が周り、本人まで情報が行きわたり、訴訟が起こったという例もあります。こういった失敗例にならないように公共の場での会話には常に気を遣うようにしましょう。

愚痴と守秘義務の境界線はどこなの?

守秘義務とは、冒頭で述べたように「職務上知り得た秘密を守る」ことです。つまり、仕事の中で知った患者に関する情報は基本的には話してはいけません。近年特に注意したいのは、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどのSNSへの投稿です。こういったSNS媒体は、軽い気持ちで投稿したとしても見る人からすれば問題発言となるかもしれません。また、SNSでは一度投稿したものは消えることはないと覚悟しておいたほうが良いでしょう。患者のプライバシーについてつい投稿してしまってから、後に消したとしてもインターネット上に晒されたことがある場合、誰がどこに保存しているかは把握しきれません。安易な投稿には気を付けましょう。また、さらに気を付けたいのはあなたの投稿だけがSNSに掲載されるわけではないということです。たとえば移動中の廊下・エレベーター・階段での会話が誰かに聞かれていて、それを聞いた人が書き込みをする可能性も十分にあります。日々の会話が、いつ、どこで、だれが聞いているかわからないことを頭に入れておきましょう。

どうしても愚痴をこぼしたいときは、個人名を絶対に出さずに、具体的な疾患名や症状などを話さないようにします。個人名や疾患をあげることで特定できるかできないかが愚痴と守秘義務との境界線になります。公共の場で話すときには抽象的に話し、患者さんのプライバシーを守ることを常に意識しましょう。業務上での不満や愚痴を我慢しすぎるのもストレスとなってしまいますから、ほどほどに解消したいところです。

看護師の業界用語

<減黄>

げんおう。黄疸を減らす処置のことを指します。体外にチューブでつなげた胆汁の容器に排出する外瘻と、胆管の狭くなった部分にステントの挿入によりトンネルを作り、短銃の流れをサポートする内瘻があります。この内瘻でのステントの挿入には、PTSD:経皮経肝的胆道ドレナージと、内視鏡的胆道ドレナージといった方法があります。長期の黄疸や、胆道感染を伴った黄疸、胆管がんなどに減黄術が適応となります。