看護師として働いていく中で、現在の自分の実力に満足できなくなることもあると思います。さらに看護師として成長したいとお考えの看護師の皆さんに今回は看護師のキャリアアップとして「BLS/ACLS/PALSプロバイダー」を紹介したいと思います。
BLS/ACLS/PALSとはそれぞれアメリカ心臓協会の一次救命処置のことをBLS(Basic Life Support)、二次救命処置をACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)、小児の二次救命処置をPALS(Pediatric Advanced Life Support)といい、プロバイダーとは、それらの救命処置を行うことが出来る人に与えられる資格のことです。
資格を取るまでの流れを教えて!
BLS/ACLS/PALSプロバイダーがどんな仕事なのか少しわかったところで、ここで、ではどのようにして資格を取ればよいのかを整理していきたいと思います。
- 日本ACLS協会のホームページへとアクセスし自分の都合にあったコースを探します。
BLS/ACLS/PALSプロバイダーのいずれの資格を取得する場合にも、全国のトレーニングセンターやトレーニングサイトでコースを選択し、受講する必要があります。
また、ACLS/PALSプロバイダーの資格を取得するためには、BLSプロバイダーの資格を取得している必要があります。
- 登録・申請
トレーニングサイトに登録し、申込をしましょう。
- 予習
サイトより受講受付メールが届くので、教材で予習を行いましょう。
- 受講・合格
コースを受講し、筆記試験、実技試験に合格しましょう。
- 認定証発行
合格すると認定カードが交付されます。
以上が、BLS/ACLS/PALSプロバイダーになるための流れとなります。
どれだけの費用や時間がかかるの?試験の内容は?
資格取得までのおおまかな流れをつかんだら、次は、資格取得までに必要となる費用や時間、気になる試験内容について触れていきたいと思います。
まず、BLSプロバイダーについてですが、必要な費用は、コース受講のための18100円です。
必要となる期間は、コースを受講する7~8時間と試験時間だけと考えていいと思うので、1日で資格取得可能であると言えます。
筆記試験の内容は、25問の問題が出題され、そのうち21問(84%)を正答することが合格基準となっています。この筆記試験は、正答率が84%未満である場合、当日に1回のみ再試験を行うことが許されています。また、当日の実技試験は、床にマネキンをおいて、人工呼吸や心臓マッサージといった医療行為を、AHAガイドラインに沿って行えるということが合格基準になっています。筆記試験や、実技の講習から試験、合格認定証の交付まで1日で行われるので、事前に予習をするなど準備して臨むようにしましょう。試験自体は、全国74ヶ所のトレーニングサイトで行われているので、交通費などはあまり考慮しなくてもいいと思います。
次に、ACLSプロバイダーですが、BLSプロバイダーの資格を持っていることが受講・
受験資格となります。必要となる費用は、こちらも全国的にコース受講可能となっているので、必要となるのはコース受講料の38300円のみです。
必要となる期間は、2日間で合わせて15時間程度のコースが行われ、講習から試験、認定証交付まで行われるので、2日間に加えて、自身が勉強した時間が資格取得までに必要になると言えます。
試験は筆記試験が、50問出題され、84%にあたる42問以上正答することが合格条件となっています。こちらのコースも、84%に満たない場合は、当日1回に限り再試験を行うことが出来ます。実技試験はBLSプロバイダーコースと同様に行われます。
最後にPALSプロバイダーについてです。こちらもBLSプロバイダーの資格を持っていることが受講・受験資格となり、必要となる費用は、コース受講料の42300円のみです。
必要となる期間は、講習から試験、認定証交付まで2日間で行うと公式ホームページに明記されているので、2日間に加えて、自身が勉強した時間が資格取得までに必要になると言えます。
試験内容ですが、筆記試験は33問出題され84%にあたる28問以上正答することが合格基準だとされています。こちらも再試験ありです。実技試験は、AHAガイドラインに則って、小児の心肺蘇生法を行うことが出来るのが合格基準となります。
BLS/ACLS/PALSプロバイダーになるメリットってなに?
実は、BLS/ACLS/PALSプロバイダーの資格を取っても、あくまで、心肺蘇生法を正しく行える看護師になっただけですので、すぐに給料がアップするということは見込めません。
ただし、心肺蘇生法という分野において普通の看護師より一歩リードしていることは確かなので、その知識や技術を生かし、さらに職場で必要とされる人材となることで、自身のキャリアアップからの給料アップへとつなげていくことが出来る資格のひとつだと思います。
看護師の業界用語 解説
イソ玉(いそだま)…イソジン綿球の略語
「イソジン」という商品名で知られるポピドンヨードを染み込ませた綿球のことで、消毒の際に用います。