看護師がキャリアアップする為の資格を取ろう。 29消化器内視鏡技師

看護師として働いている中で、自身のキャリアについて悩み、なにか資格を取った方が良いのではないかと考えることがあると思います。そこで今回は、看護師がキャリアアップするための資格として、「消化器内視鏡技師」について紹介していきたいと思います。

消化器内視鏡技師は、日本内視鏡技師会によって認定される資格で、消化器内視鏡診療に必要な前処置、洗浄や消毒の手技、機器の取り扱い、医師が行う検査や治療の介助に関する深い理解や技術を持ち、消化器内視鏡療法におけるチーム医療の一員としての役割が求められます。

近年の内視鏡技術の進歩に伴い、より良い医療の提供のために需要が上がってきた職業のひとつです。

知っていますか?消化器内視鏡技師までの道のり

それでは、資格取得するには何をしなければいけないか、流れを整理していきましょう。

  • 試験の受験資格を確認する

認定試験を受けるために、自分が受験資格を満たしているか確認しましょう。

消化器内視鏡技師認定試験の受験資格は以下のように定められています。

1.看護師(保健師・助産師)、衛生検査技師、診療放射線技師、臨床工学技士、臨床検査技師、准看護師、薬剤師の資格を有している。

2.日本消化器内視鏡学会認定医のもと、消化器内視鏡部門で実際に勤務した年数が2年以上であること。

3.学会主催の講習会に参加し、消化器内視鏡に関しての講義を20時間以上受講していること。

4.申請時までに、消化器内視鏡技師研究会または技師学会に2回以上参加していること。

5.申請時までに学会支部長承認の内視鏡取り扱い講習会またはセミナー基礎編に1回以上参加していること。

  • 受験申請書類を提出する

上記の条件を満たしていたら、必要な書類をそろえて提出し、書類審査を受けましょう。

申請に必要な書類は以下の通りになります。

  1. 申請書
  2. 業績目録
  3. 勤務証明書
  4. 医学講義受講証明書
  5. 推薦書
  6. 消化器内視鏡介助実績目録
  7. 医療関連免許証コピー
  8. 内視鏡機器取り扱い講習会出席証明書1回以上のコピー
  9. 技師研究会・学会出席証明書2回以上のコピー
  10. 書類審査

提出書類について書類審査が行われ、合格すると、学術試験(認定試験)の詳細や会場が通知されます。

  • 認定試験

書類審査合格後の通知に従って、認定試験を受けに行きましょう。この際、試験の受験料5000円を払っておくことと、同封されてきた受験票を持っていくことを忘れないようにしましょう。

  • 合否発表・認定証交付

筆記試験に合格すると、登録書類が届くので登録手続きを済ませると認定証が交付されます。

以上が、消化器内視鏡技師になるまでの流れとなります。

どれだけの費用や時間が必要?試験の内容は?

おおまかな流れをつかんだら、次は必要となる費用や時間、試験内容について確認しておきましょう。

まずは必要となる費用ですが、認定試験受験料5000円、資格認定登録料1万円、

次に、かかる時間です。申請書類の提出が9月の下旬から始まり、認定試験の合否判定が出るのは、その翌年の6月上旬になるので、9か月程度の期間が最低でも必要になります。

最後に認定試験に関してです。認定試験は、1年に1回、受験申請年度の年度末にあたる3月に実施されています。試験会場は、東京都の1ヶ所で行われます。2017年実施の際は「東京ビッグサイト」で開催されました。試験形式は筆記試験で、出題範囲は学会主催の講習会で行われる内視鏡学総論、内視鏡検査と診断、内視鏡的治療からの出題となります。試験の合格率は50%前後とやや低めですが、学会への入会が不要であるなど、専門知識を深く学んだ人だけが受ける試験ではないことからの合格率だと考えられます。裏を返せば、しっかりと準備をして試験に臨めば十分に合格可能な試験だと言えます。

消化器内視鏡技師になるメリットって何?

では、消化器内視鏡技師の資格を取得するメリットは何か挙げていきたいと思います。

まず、気になる給料に関してですが、実はこの資格を持っていることで給与がアップするとは一概には言えません。しかし、消化器内視鏡専用の術場を持っているなど、消化器外科分野に力を入れている病院では給料は高くなります。

そのほか挙げられるメリットとしては、最先端の内視鏡技術に関して知識、技術を深めることによって、看護、医療へのモチベーションが向上したり、普通の看護師では出来ない手技が行えるようになることで得られる仕事の充足感が得られるなどがあります。

看護師の業界用語 解説

インフォームドコンセント…説明と同意

患者自身が自らの疾患、治療方針を理解したうえで、医師と対等の立場で話し合い、納得したうえで今後の治療にあたることをいいます。