看護師がキャリアアップする為の資格を取ろう。 32健康運動指導士

看護師として働いていく中で、看護師免許1つだけでこの先やっていけるのだろうか、と自身のキャリアについて考えることがあると思います。そこで、看護師のキャリアアップとして取ることができる資格「健康運動指導士」について紹介します。

健康運動指導士とは、スポーツクラブや保健所・保健センター、病院・介護施設などにおいて、保健医療関係者と連携しつつ安全で効果的な運動を実施するための運動プログラム作成及び実践指導計画の調整等を行う役割を担う専門家のことをいいます。

厚労省が認定する健康増進施設に設置されるほか、生活習慣病予防を中心とした特定健診・特定保健指導(メタボ検診)における運動指導や介護予防、運動と食育を組み合わせたスポーツ栄養などの分野で注目されています。

健康運動指導士になりたい!…でも何から始めればいいの?

それでは、どのような流れで健康運動指導士の資格を取得すればよいのか、流れを整理していきましょう。

  • 講習会を受講する/健康運動指導士の養成校の養成講座を修了する

認定試験を受験するための条件として、講習会を受講するか、健康運動指導士の養成校を修了しているかのどちらかを満たしている必要があります。

まず講習会についてですが、座学での講義と、体を実際に動かす実習の2つによって構成されています。有している資格などにより受講できるコースが異なり、コースによって内容と実施時期が違うため注意が必要です。

看護師、准看護師の資格を有している方は104単位コース。保健師または管理栄養士の資格を有している方は70単位コースです。

水泳や激しい運動もカリキュラムの中に含まれているので、妊娠されている方はご参加を控えてください。

講習会の会場は東京、大阪、福岡の3カ所となっております。

  • 認定試験

講習会において所定の単位を修得した者及びそれまでに課程を修了した者を対象として、講習会カリキュラムの内容(104単位分)に沿った認定試験を年3回行います。

  • 合格、登録

健康運動指導士認定試験に合格されたのち、登録をすると健康運動指導士の称号が与えられます。登録後は、5年ごとに更新することができます。

以上が、健康運動指導士になるための流れとなります。

資格取得に必要な費用や期間を一気に解説!

健康運動指導士の資格を取得するまでの流れは整理できたので、次は具体的に、必要な費用や時間、試験について触れていきたいと思います。

まず、必要となる費用ですが、おおよそ30万円が必要となります。

講習会の受講料として、104単位コースは262,500円(税抜き)、70単位コースは194,500円(税抜き)かかります。また、認定試験の受験料は12,381円(税抜き)、登録料は22,858円(税抜き)になるので、決して安くはありません。

次に、必要な期間ですが。講習会は4日間前後で、認定試験は年に3回あるので、早ければ3ヶ月ほどで取得することも可能です。

最後に試験についてですが、試験会場は、東京、大阪、福岡、愛知、北海道、沖縄など、全国で開催されています。

試験は講習会カリキュラムの内容に沿って出題されます。試験形式は筆記試験(四肢択一、マークシート)です。

合格率ですが、104単位コース受講者と70単位コース受講者は合格率が90%を越えています。受験した方のほとんどが合格しているので、挑戦しやすいでしょう。

給料事情や将来性はどんな感じ?

看護師からのキャリアアップとして健康運動指導士を紹介してきたわけですが、では、健康運動指導士の資格を取得するメリットはなんなのか気になりますよね?

実は給料に関していうと、 資格を取得したから収入があがるかというと難しいところです。しかし、公共施設での健康体操、地区の方を対象にした介護予防運動、高齢者施設や福祉施設などでの体操などを行う場合などに必要になることがあります。

これから高齢化社会を迎えるにあたり、健康に関する関心も年々高まっている現代ではますます必要になる資格だと思います。またパソコンの普及によりデスクワークが増え健康を損なう方も多くなり運動が見直されています。その為、企業向けの健康セミナーや身体に不調が出やすい50~60代向けの健康体操教室なども今後の需要が見込まれると思います。

看護師の業界用語 解説

ウェルニッケ失語…感覚性失語のこと、自分は話すことは出来るが、相手の言っていることが理解できなくなってしまう症状。

流暢に話すこともできて、抑揚やメロディーもつけることが出来ます。他人の言っていることに対しては理解が及びません。しかし、状況判断能力や、推測能力は残っている場合もあるので、ゆっくり話しかけながらジェスチャーを加えるなど、方法を工夫すれば、コミュニケーションを取ることができることもあります。