医師のいない職場であればアセスメント力が問われてしまう

あなたの職場には、医師がいますか?通常、看護師として働く際には、そばに医師がいてそのサポートをしながら患者さんの処置をするという仕事の形態を思い浮かべると思います。しかし。看護師として字働く際に、周囲に医師がいない施設ではたらくこともあるのです。そういった職場では、看護師であるあなたの立場で、アセスメント力が要求されます。今回はこの医師がいない環境下での看護師のアセスメント力について考えていきましょう。

医師がいない職場って、どんなところ?

たとえば、医師のいないじょうきょうで 看護師が働く施設としては、特別養護老人ホームや、その他の介護施設などが挙げられます。こういった施設では、提携している病院はあるものの、医師が常勤しているわけではありません。つまり、スタッフとしては、看護師、介護士、ボランティア等の人たちのみで構成されています。したがって、よりいっそうアセスメントをしなければならないのは他でもない看護師です。さて、そもそもアセスメントとは何をするのでしょうか。アセスメントとは、情報収集や看護計画、問題点の把握などの看護過程におけるプロセスの一部です。その対象となる患者さんに対して、主観的情報と客観的情報の双方からアプローチして、対象の患者さんに関する看護における問題点をピックアップし、それを理論的にアナライズします。これをアセスメントといいます。アセスメントは、問題点や優先順位などを明確にすることで、今後の看護計画の方向性を明確にしていくために非常に有効です。ここで、先ほどあげた主観的情報と客観的情報について簡単に説明します。主観的情報とは、対象の患者さん自身の主訴や、痛みや悩みなどの言動についての情報です。客観的情報とは、主観的情報とは反対に、バイタルサインや検査データ、皮膚や排泄の状況や表情の変化など、看護師が患者さんを客観的に観察して得られる情報です。されにこれで得られた情報を、様々な形式で分析していきます。

アセスメントはどれくらい重要なの?

アセスメントには、大きく分けて3つの役割があります。まず一つ目は、ケアプランの作成に役に立ちます。ケアプランのための例としては、高齢者福祉の分野では介護支援専門員や、ケアマネージャーがプランを作成し、障碍者福祉の領域では、相談支援専門員が作成します。ケアプランというのは、患者さんなどに提供する治療処置や援助の内容を決定してく際に参考にする計画書のことを指します。これにより、アセスメントシートの項目に、収集した情報を書き込んでいくことで、患者さん(施設利用者さん)の状況が可視化されて、さらに整理されて、周囲の人もアセスメントシートをチェックするだけで状況把握を簡単にすることができます。

2つめは、情報提供や情報の共有について、役に立つとう点です。1つ目のケアプランでも述べたように、収集した情報を整理して見えるようになったことで、情報が明確になり、把握しやすくなることで、連携している機関や施設とも連携を取りやすくなります。

3つ目は、施設内での情報の定着や更新がしやすいということです。2つ目の役割では、他の施設や連携している機関との情報のやり取りについて紹介しましたが、もちろんその施設内での情報についての定着や管理がしやすくなります。

こういったように、さまざまな面で、アセスメントは情報に関して非常に役に立つものだということがわかります。これは、医師がいない状況下ではさらに重要となってきます。人間関係について、一般病棟のようにぎくしゃくする可能性がない代わりに、医師がいない施設では、自己判断する機会が増え、またそれが重要になるというポイントがあります。医師がいた方が、気楽という考えた方もできますが、置かれた状況で自分が貢献できることをひとつずつしっかりとこなしていきましょう。

看護師の業界用語

~寄生虫症~

寄生虫感染症とも言います。蠕虫や原虫によって引き起こされる疾患、感染症です。昆虫やダニなどによる疾患も含みます。具体例としては、アニサキス症、赤痢アメーバ、エキノコックス症、疥癬、ジアルジア症、トキソプラズマ症、マラリアや条虫、線虫などによる疾患など、様々なものがあります。国内の症例数はきわめて少なく、認知されておりませんが、国内症例・輸入感染症の症例数は依然発生しています。旅行者感染や日和見感染では重症化しやすく、迅速な診断と治療が必要となります。便や喀痰、骨髄穿刺により検査できます。治療はおもに、イベルメクチンやメベンダゾール、ニフルチモックスなどの抗生剤、また外科的な処置、ガストログラフィンによる排出などがあります。これは寄生虫の種類により変わります。