勤続年数が長いため、失敗できないプレッシャーで押しつぶされそうになる

看護師という仕事は、医療行為もさることながら、患者さんとも最も身近に接し、彼らを身体的にも心理的にも支え、時に医師をも医師以上に頼もしくサポートする、非常に多様な能力が求められる職業です。「白衣の天使」なんてイメージも持たれちゃうけど、実際は、病棟看護など、一刻を争う事態には、的確な判断と行動が要求されることも少なくなく、激務の日々…。看護師の基本的な業務だけではなく、管理職としての業務も求められる、いわゆるベテランや中堅といわれるクラスの皆さんにもなると、背負う責任の大きさも新人のときとは比べ物にならない、と感じていますよね。
しかし、そんな頑張り屋の皆さんに、注意してほしい、陥りやすい悩みがあります。今回は、その悩みについて、一緒に考えてみましょう!

一生懸命でまじめな人ほど陥る、「失敗できない!」

役目も多く、資格がなければできない業務も多いので、やりがいも大きい看護師の仕事ですが、その反面、命を預かることへのプレッシャーを感じたことのない人はいない仕事であると思います。そんな看護師の仕事を、生涯の仕事として、幾多の困難を乗り越えて長い年月働いてきた皆さんの、豊富な知識と経験は誰もが持っているものではない、価値あるものです。それゆえ、周囲から頼りにされること、責任のある仕事を任される機会も増えてきたことでしょう。そんな状況にある皆さんだからこそ、「ここに勤めて○年目だし、先輩だし…絶対に失敗できない!」とか「○年目なのに、ミスしたら失望される…」と気を張りすぎてしまっていませんか。また何より、一生懸命なあなた自身も、キャリアを積んできた分、そんな自分が新人看護師のときのようなミスや失敗をすることが許せなくなっているのではないでしょうか。
実はこういった悩みは、勤勉で、同じ職場で長く働き続けている人に少なくありません。ほかの業界にも等しくある悩みですが、医療業界では、その責任の重さから、悩みすぎることは大きなストレスに発展する、決して軽視できない課題です。心身のストレスで不眠症に陥ってしまうケースもあります。自分が少しでも当てはまると感じたら、危険な傾向だな、と注意したほうがいいかもしれません。

失敗できない…そんな負担が大きくなったら

その職場での勤めている年数が長いと、いわばお局さん。後輩看護師からはもちろん、自分より看護師年数が長い人からでも、やはり、職場のルールや関係性に精通している皆さんは頼られてしまいます。面倒な仕事を引き受けざる負えない機会もあるはずです。
よく考えてみて、そんな環境が失敗に対する大きなプレッシャーになっていると感じたら、転職も一つの選択肢です!職場環境を変えることで、自らのポジションもリセットすることができます。慣れた現場で働くことは築いてきた人間関係や生活リズムもありますし、手放すのは惜しいと感じると思いますが、「自分に合った職場環境で働くこと」は、生涯の仕事として長く続けることもできる看護師という職業にとって、重要な要素であると思います。自分と境遇の似た人たちのいる病院であったり、ミスをカバーする協力体制に特化した病院など、探せばたくさんあります。そういう病院なら、同じように失敗へのプレッシャーという今の自分の境遇を理解してくれる人もたくさんいるかもしれません。

「私、失敗しないので。」ではなく「失敗を無駄にはしないので。」

ここまで、解決策をお話してきましたが、環境を変えることで、プレッシャーを少なくすることは少なからずできようとも、人は忘れる生き物だしミスをするもの。それは、キャリアの長さにかかわらず、みんな同じです。「失敗しないので」なんてかっこいいこと、言いたいところですが、そううまくいかないのが現実です。大きな失敗をしないために、小さなミスで食い止められるように、日々支えあえるような関係を築くことも大切かもしれません。そして、失敗やトラブルが起きたときにしか身につかないのが、失敗したときの対応力。それを持っているのも、長年仕事を頑張ってきて、失敗を無駄にしてこなかった、あなたの大きな強みですよ!恐れ過ぎず、自分らしく、お仕事がんばってくださいね!

看護師の専門用語「マイコプラズマ」

ウイルスのように小さく細胞壁を持たない微生物のこと。主に気管支や喉、肺に感染し炎症を起こすことにより、しつこく、淡を伴わない咳(乾性咳嗽)や頑固な熱が特徴的な症状のマイコプラズマ肺炎になる。幼児から成人まで幅広い年齢層でかかり、潜伏期間も2~3週間と長いです。また、咳やくしゃみなどのしぶきが飛ぶことで近くにいる人に感染したり、感染者との接触で感染しうるので、流行しやすいです。周囲にマイコプラズマにかかった人がいたら要注意です