「新卒ではないのに雑務しかさせてもらえず、実力を発揮できない」
学生時代の勉強や実習、働き始めてからの仕事、全てを一所懸命に頑張ってきて、やっと自立し始めた、これからバリバリ働いていくぞ!という頃に多い悩み、それが実力を発揮出来ないです。人の役に立ちたい!困っている人を助けたい!という気持ちで看護師になったのに今の職場では雑務しかやらせてもらえず、なんのために看護師になったのか…新卒でもなく、それなりの技術もつけてきたのに…と不満に思っている方もいるかもしれません。もっと実力を発揮したい!という方に向けて今回はお話していきたいと思います。
ほんとに雑務?
まず、お話したいのがあなたが思っている雑務は本当に雑務かということです。体位交換やシーツ交換、おむつ交換、トイレ介助、入浴介助、車椅子介助、配膳・下膳…これらは学生時代の実習や新卒の際にやることが多いため雑務と感じてしまう人もいるかもしれません。しかしながらこれらは全て雑務ではなく介護です。そして、これらの介護に手を抜かず、これらの介護を通して患者さんの変化に気づく看護師、それが患者さんから信頼される看護師の姿です。逆に、これらの看護行為を雑務と捉え、手を抜く看護師は患者さんから気がきかないと思われ嫌われてしまいます。自分の今している仕事が雑務か介護かもう一度考えてみてはいかがでしょうか。
中には倉庫管理や物品片付け、物品洗浄、ゴミ捨てばかりしているという方もいるかもしれません。これらを実際に扱うことで、その物品の扱い方や置き場、片付け場所をしることができたり、消毒液や洗浄液の知識がつき、薬品の取り扱い方法や知識を知ることができたりします。とはいえ、それは新人ナース時代に嫌ほどやったという方もいるかもしれません。
しかし、その知識や経験がいつ役に立つかわかりません。また、ゴミ捨てや掃除は汚染されやすいところ、綺麗にすべきところなど環境整備の注意点や視点を学ぶことができます。もしかするとゴミ捨てを行うことで患者さんが隠れて食べていたものや逆に薬を飲んでいないことに気づくことができるかもしれません。それが医師の治療の手助けになる看護師ならではの視点なのです。ですから、ゴミ捨てもあなた自身の目のつけどころによっては介護になるかもしれません。
思い切った行動を!
これまで雑用ではなく介護ということを強くお話してきましたが、そうは言ってもそれらは新人看護師が仕事を覚えるまでやる仕事と暗黙の了解で決まっている職場も多いと思います。新人看護師も入ってきているのに、それらの仕事は全部優先的に回ってくる…そんなときには思い切って転職という選択をしてみるのもありかもしれません。もちろん、体位交換やオムツ交換、車椅子介助などはもちろん雑用ではなく看護行為の一つではあり、それにより患者さんとの信頼関係を築くことができます。しかしながら、それらの行為ばかりしていても看護師として自分自身が成長できなくなってしまいます。自分自身が成長しなければ、患者さんにより良い看護を提供できません。もし、自分が今の職場で働いていたらこのままくすぶって、何も成長できないで終わってしまうと感じてしまうなら思い切って一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。看護師は人数が足りていないため、あなたを必要とする職場はたくさんあります。もし、悩んでいるならば転職サイトに登録だけしてみるのも手かもしれませんね。
看護師という仕事は患者さんと医師よりも長い時間接する仕事です。そのため、体位交換やシーツ交換、おむつ交換、トイレ介助、入浴介助、車椅子介助などの様々な介護行為から患者さんの変化に気づくことができます。それらの行為をおろそかにせずに、患者さんと信頼関係を築くことができる看護師になってください。とはいえ、それらの行為ばかり行い、看護師として成長できないような場合には勇気をだして転職という選択をしてみると良いかもしれません。あなたが、看護師としての技術を身につけながらもおむつ交換などを嫌がらずに行い、小さな患者さんの変化に気づけるような看護師になることを願っています。
看護師専門用語 ペグ
経皮的内視鏡的胃瘻造設術(PEG)のことで、内視鏡下て行う胃瘻造設法です。開腹の必要がなく、侵襲が小さいため、胃瘻造設の第一選択となります。PEGには胃瘻カテーテルの口腔・咽頭通過の有無によりPull法、Introducer原法、Introducer変法という術式に分けられます。胃瘻造設後は、誤嚥性肺炎やカテーテル閉塞、皮膚や粘膜の潰瘍・炎症などの合併症を防ぐために十分な対策をしてから経腸栄養剤を投与する必要があります。対策としては、ファーラー位を保つことや瘻孔部の確認、カテーテルの清潔管理などがあります。