日本では晩婚化が進み、平均初婚年齢は年代を重ねるごとに遅くなっていく傾向になっています。看護師の場合は他の職業とは事情が異なり、結婚してからもまだ働き続けることが多い職業ですが、もちろん結婚したからには子供を産んで子育ても頑張りたい、と考えている人も多いでしょう。看護師がキャリアと子育てを両立できる結婚適齢期というのはあるのでしょうか?
大卒と専門学校卒の看護師では結婚適齢期が違う?
看護師には大学卒と専門学校卒の人がいますが、それぞれどういった違いがあるのでしょうか?まず大学は4年通う必要がありますが、専門学校の場合は3年で修了となります。しかしカリキュラムや実習内容に大きな違いはなく、看護師免許も同じものです。ただ、大学で4年かけて学ぶ内容を3年で学んでしまう専門学校はその中から必要な事だけを覚えておけばいい、と考えられ、大学卒の場合はなるべく多くの知識を覚えておくことで幅広い業務に対応できるようにと考えられている節があります。実際に大学卒の看護師は専門学校卒に比べて就職の間口が広くなり、初任給も高くなる傾向があります。
さらに大学卒の看護師にとって重要なのは、大学の附属病院です。看護学科がある大学の多くに附属病院があり、卒業後には附属病院での勤務という選択肢も選ぶことが可能となります。また、奨学金を借りている場合は附属病院で3年間働くと返済しなくてよくなるという決まりがある大学もあるので、大学卒の場合は付属病院に勤務する人が多いんです。
実際に実務として大きな違いはないのですが、管理職などになりやすいのは大学卒の看護師です。そのためそれぞれの結婚適齢期というものも若干異なってきます。
まず大学卒の看護師であれば、奨学金を借りている場合は最低でも3年は働いた方がいいでしょう。結婚後も勤務を続けることは可能ですが、女性は出産や子育ての関係で休職することになるかもしれないので、休職後にスムーズに復帰できるよう仕事をしっかり覚えてからと考えると、5年は働いてから結婚したほうがいいかと思います。そうなると大学卒の場合は27歳、専門学校卒の場合は26歳以上が結婚適齢期ということになります。あくまで目安であり、個人差はありますが、こうした考え方をされているのが一般的なようです。
准看護師と正看護師でも違ってくる?
看護師には正看護師と准看護師があります。正看護師は国家資格である看護師免許を取得した看護師ですが、准看護師は准看護師学校を卒業して各都道府県が実施する試験に合格して各都道府県知事が発行する准看護師免許を取得することでなることができます。学校は2年で、たとえ中卒でも通えることで看護師になるのが難しい人が選ぶのですが、近年は准看護師となる人が減っていて学校は減少傾向にあります。
准看護師の中には正看護師になることを目指している人もいますが、そのためには定時制の看護専門学校に3年間通うか、全日制の看護専門学校に2年間通うか、10年以上の経験があり2年制の通信教育を受講する必要があります。クリニック勤務であれば定時制の専門学校に通うこともできますが、病棟勤務であれば夜勤もあるので学校に通うことは難しく、通信教育を受けることになります。もしくはいったん仕事を辞め、全日制の専門学校に通う必要があるかもしれません。
正看護師になることを目指していなければ関係ないのですが、正看護師になることを目指している場合はその条件を満たしてからが結婚適齢期といえます。そのため、どの方法を選ぶかによって結婚適齢期は異なってきます。20歳から准看護師として働いて、10年間勤務して2年間の通信教育を受けた場合、正看護師になると32歳になっています。高齢出産は34歳からなので、それでもギリギリ間に合いますね。
将来の目標によっても異なる?
看護師が目指すキャリアアップの道として、助産師やオペナースがあります。助産師になるためには1年間助産師養成所に通って資格試験に合格する必要があります。一方オペナースの場合は特別な資格は必要ありませんが、オペナースとしてさらにキャリアアップをしたい人のために手術看護認定看護師や手術看護実践指導看護師、周術期管理チーム看護師などの認定資格があります。どれも規定年数以上の経験やレポート提出などの認定条件がありますが、取得すればオペナースとしての専門性がさらに高くなります。
助産師は不足気味なので、助産師資格支援制度が設けられている病院もあります。こうした職場では、助産師養成所に通っている間は月給が支給される場合もあり、資格取得後はまた職場に復帰できます。ただし資格取得後は決められた期間継続して勤務ずる必要があるので、すぐに結婚退職というわけにはいきません。そうなると、助産師を目指す人は助産師資格を取得して数年たってから結婚する方がいいでしょう。助産師を目指す場合は、およそ30歳前後が結婚適齢期といえるでしょう。
オペナースの場合は、認定資格を目指す場合は2年から5年程度の勤務実績が必要となる場合もあるので、25歳から28歳くらいが認定資格取得の目安となる年齢となります。そのため、認定資格を目指す人は取得してから結婚するべきでしょう。
一口に看護師といっても様々な条件があり、結婚適齢期も変わってきます。自分が目指す将来や、周囲の環境によっても変わるので、あまり焦らないようにしましょう。
看護師専門用語
マーマー
正常な心臓では発生しないような異常粗雑な心音の事。循環器病の診察をする際の目安となるポイントの一つ。