医療翻訳家としてキャリアアップしたい場合には、どうすればいいの?


仕事をするにあたって、更にやりがいのある仕事を求めてキャリアアップを目指すことは仕事に対するモチベーションにもつながりますが、医療翻訳家がキャリアアップをしたいと思った場合はどうしたらいいのでしょうか?

医療翻訳家の仕事は?

まず、医療翻訳家の仕事にはどのようなものがあるのでしょうか?医療翻訳家の仕事は大きく分けると医療機器の翻訳、医薬品の翻訳、医学に関する翻訳の3つになります。

医療機器の翻訳は、外資系の医療機器メーカーが日本で医療機器を販売・製造する際に承認申請書や機器の取扱説明書、カタログなどを翻訳します。

医薬品の翻訳は製薬会社で必要とされる事項に関する翻訳がメインとなります。新薬の承認審査や新薬を発売してから報告があった副作用に関して翻訳をしていきます。

医学系の翻訳は、広く医学に関連した論文や書籍の翻訳がメインとなります。学会で使用されるプレゼンテーションの資料なども含まれます。

医療翻訳者と他の翻訳者の違いといえば、専門用語の翻訳があるという点が思い浮かぶでしょう。医師と看護師、もしくは医師同士の会話の中で、色々と知らない言葉が出てくることがあります。こうした専門用語に関しては、通常の翻訳家も分からない単語がたくさんあります。こうした用語をきちんと把握しているかどうかが、医療翻訳家と他の翻訳家の違いといえるでしょう。

また、医学分野特有の表現というのもあります。日本独自の表現、海外独自の表現があるので、そうした点を間違えずに翻訳できることが重要です。

医療翻訳家のキャリアとは?

医療翻訳家として働くにはおおまかに2つのパターンがあります。一つは医療関係の書籍を出版する出版社や特許関連を扱う会社で、会社の仕事として行うパターンです。この場合は会社から給料をもらって仕事をする通常のサラリーマンの業務内容として医療翻訳を行うことになります。会社に就職して医療翻訳家となる場合のキャリア形成としては、まず対応できる仕事の幅を増やすことと、いくつもの書籍の翻訳に携わること、そして翻訳のスピードを上げることが重要です。
もう一つはフリーランスとして、企業などから翻訳の依頼を受けるパターンです。この場合は自営業となり、仕事量と収入は自分で調整できますし、複数の依頼主を持って仕事をすることも可能です。フリーランスの場合も仕事の幅を増やすことと仕事のスピードを上げることが重要で、他にも幅広い仕事を受けることで広い人脈を形成することもキャリア形成につながります。
会社員として医療翻訳家になるメリットは、安定性が一番の理由に挙げられます。会社員であれば福利厚生も受けることができますし、たとえ仕事が少ない時があっても給料として収入は保証されます。また、仕事上で何かトラブルがあった場合も、会社が間に入ってくれます。外注の仕事などは営業が取ってくるので、基本的に翻訳以外の仕事をする必要はありません。
一方、フリーランスの場合は自由度が一番の魅力です。仕事の量や収入、依頼を受けるかどうかもすべて自分で決定できます。ただし、それに伴って生じる責任に関してもすべて自分でとらなければいけないので、翻訳以外の苦労も増えてくるかもしれません。特に仕事を始めたばかりの頃はそれほど仕事の依頼は多く取れないと思うので、仕事が増えるまでは経済的にも大変でしょう。

医療翻訳家がキャリアアップしたい場合は?

医療翻訳家としてキャリアアップしたいと考えた場合、会社員としてのキャリアアップか、フリーランスとしてのキャリアアップかで違いがあります。
まず、会社員としてのキャリアアップを目指す場合は、会社の業績アップに貢献することが大切です。そのためには翻訳スピードと正確性を上げることでこなせる仕事量を増やし、それと同時に出来ることを増やすことです。例えば現在は特許関係の翻訳を行っている場合、さらに知識を増やして論文についても翻訳できるようにすると、会社でも扱える業務内容が増やせるかもしれませんし、転職する際にも転職先の選択肢が増え、重宝されます。また、翻訳できる言語を増やすことも重要です。例えば元々ドイツ語で書かれていたものが英訳してあった場合、それを日本語に翻訳するよりもドイツ語から翻訳したほうが細かいニュアンスなどに差異が生まれにくくなります。
フリーランスの場合は上記に加えて、この翻訳であれば負けない、といえるような売りを作ることでしょう。例えば人気が高い分野としては医療機器や治験などの翻訳がありますが、治験翻訳であればだれにも負けないよう知識を特化し、その評判が良くなると関連した仕事も来やすくなるでしょう。
また、医療翻訳家の中でも日本語を英語に翻訳する日英翻訳家は人数が不足しているため、日栄翻訳ができるようになることもキャリアアップといえるでしょう。

まとめ

医療翻訳家は医療関係の翻訳に特化していますが、専門用語などは数多くあるのですべてを把握するのは大変です。そのため、医療翻訳をジャンルによって分けて考え、多くのジャンルに精通することがキャリアアップにつながるといえます。