医薬翻訳家はどんな人が向いているの?


医薬翻訳家に興味を持ったものの、果たして自分に向いているのだろうか、と思う人は結構多いようです。向いていない仕事を続けるというのは辛いものなので、事前に自分が向いているかどうかを判断するのは大切な事ですね。ではどんな人が医薬翻訳家に向いているのでしょうか?

まずは仕事の内容を考えましょう

まず、医薬翻訳家の仕事はどのようなものかを知らなければ向き・不向きを考えることはできません。医薬翻訳家は医療や薬に関係することを翻訳します。その内容は医学関係の論文や医学学会のレポート、それに関係する資料といった学術系の物や、海外の新薬についての資料、新薬の治験関係のレポートなどの医薬系、医療機器の研究開発資料、実際に利用した際のレポート、取扱説明書などの医療機器系に分けられます。また、これらのジャンル分けには含まれないものとして医薬部外品やサプリメント、化粧品などの翻訳があります。
このうち、学術系は専門知識が必要となるので、比較的ベテランに依頼されることが多いジャンルです。医薬系、特に治験のレポートは数も多く、内容も比較的簡単なのでまずはこれから始める人がほとんどです。医療機器系に関しては機械の知識も多少必要となるため、得意な人が翻訳します。
最初の治験レポートに関しても、ある程度の医療知識は必要となります。治験レポートの翻訳ができるようであれば、最低限の医療知識は持っているということになります。
その他に分類されるサプリメントや化粧品に関しては、医学的な知識よりも栄養素などの知識の方が重要な場合も多いので、他とは多少異なる知識を持たなくてはいけません。
医薬翻訳家の仕事は、おおよそこのような内容となります。

医薬翻訳家に向いている人は?

それでは医薬翻訳家に向いている人はどのような人でしょうか?まず、医学的な知識は必要なので、何らかの形で医学に関わったことがある人が望ましいでしょう。別に医者である必要はなく、看護師や薬剤師、医療機器の営業、もしくは学校で医学の概論などを学んだなど、スタートは多少医学の知識がある程度で十分です。また、医学の知識が現在は全くない人であっても一から学ぶつもりがあればどうにでもなるでしょう。
翻訳者のほとんどは在宅で仕事をします。そのため会社勤めのように同僚がいるわけではないので、一人でコツコツと作業をするのが苦にならない人でなくてはいけません。特に時間がかかる翻訳の場合はずっと家にいることも少なくないので、外に出ることがあまり好きではなく、家に一日中いても平気という人は向いているでしょう。
翻訳をする際、ただ目の前の文章を翻訳すればいいということではありません。前後の文章が上手くつながるように、場合によっては原文に補足して付け加えることもあります。そのためには、何か気になることがあればしっかりと理解するまで調べるくらいでなければいけません。
また、翻訳をする際には「この訳で正しいんだろうか」などと考えてしまうと、答えが分からないのでそこから進まなくなってしまいます。そのため、自信をもって翻訳できるように、自分はこのことであれば他の誰にも負けない知識がある、と誇れるものがあったほうがいいでしょう。たとえジャンルの違う知識であっても、だれにも負けないという自信があれば自分の翻訳にも自信が持てるようになります。


しっかりと情報を集めていることも大切です。毎日ニュースや新聞をチェックして、どんなことがあったのかを知っておきましょう。特に医学関連のニュースは、その後そのニュースに関する翻訳が増えることが予想されるため、スクラップなどでまとめておいた方がいいでしょう。
フリーランスの場合は、仕事の依頼を受けて翻訳することになります。そのため、常日頃からメールやLINEで連絡が来た場合にすぐチェックして返信したほうがいいでしょう。仕事においても、なるべく自分からやり取りの終了を切り出さず、相手の連絡で終わるようにしておきましょう。
いざという時に助けになるのは人脈です。翻訳の仕事は一人でやるものですが、何か困った時には他の誰かに助けを求める場面も出てきます。そういった時に素直に助けてもらえるよう、周りの人と連携して仕事ができるようにしておきましょう。
こうした点を守れる人は、医薬翻訳家に向いているといえます。

向いていない人は?

それでは反対に向いていない人はどのような人でしょうか?
たとえば、翻訳をするような人は留学などをして英語が堪能で、ネイティブ並みに話せるイメージがあるかもしれません。しかし医薬翻訳において会話のような内容はまず出てこないため、ネイティブ並みに話せるということはかえって邪魔な知識になります。
また、お金を稼げるイメージから翻訳者になりたいという人もいますが、翻訳の仕事は出来高制なので始めたばかりの頃はほとんど稼げないため、稼ぎたいと始めた人のほとんどはすぐに辞めてしまいます。
将来は創作などをやりたいという人もあまり翻訳には向いていません。創作小説などを書きたい人は、イメージで文章を膨らませてしまうことがあるので、正確さを求められる医薬翻訳にはマイナスとなります。
こうした点に当てはまる人は、あまり医薬翻訳家にはむいていないでしょう。

まとめ

医薬翻訳家というのは特別な資格があるわけではないので、自分で名乗ればすぐになれます。しかしきちんとした実力がなければ仕事を得られないので、企業のトライアルなどで合格して仕事を得るところから始めなければいけません。
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