医療翻訳家として働くメリット・デメリットは?


最近、医療翻訳家、という職業が取り上げられるようになりました。かっこいいなあ、と気になっていたり、自分にもなれるだろうか、とか、今の業界から医療業界の翻訳家に転職を考えている方もいらっしゃると思います!でも、実際働いてからの収入やリスクについて、調べずに進路は決められないもの。ここでは、医療翻訳家として働くメリット・デメリットをご紹介します。

医療翻訳家にはこんなメリットがいっぱい!

翻訳家としてのメリットとさらに医療翻訳家としてのメリットの二つがあります。
まず、翻訳家としてのメリットの一つは、マイペースに仕事ができることです。会社勤めでも締め切りまで自分で自由に時間を管理し、仕事の時間も決めることができます。また、実力をつければ独立することも可能ですし、家庭を持っている方や子育てがある方は、在宅ワークに切り換え、家事や育児と両立している方もいます。二つ目は、収入が安定しやすいことです。企業に属し、会社員として働く場合、毎月決められた仕事をこなせば、一定の給与がもらえるので、収入面は安定しています。在宅ワークが可能な仕事というのは基本的に収入単価が低い傾向にありますが、翻訳家の仕事は専門性が高いので、在宅ワークの場合でも収入単価が高い傾向にあります。
次に、医療翻訳家としてのメリットをお話しします。一つ目は、自分の知らない分野、特になかなか学ぶ機会のない専門性の高い医療の知識を学ぶことができるという点です。医学や医療への興味がある方にとっては、翻訳の仕事を通して詳しくなっていくこともできる充実した職業であると思われます。また、翻訳は医療技術の浸透の架け橋です。自分の仕事により、命が救われる、という大きなやりがいを感じることもできます。二つ目は、なんといっても、高い需要と将来性があることです。医学の世界は、日々進歩が求められることに伴い、世界中、新たな医療機器や新薬、技術の開発が進められています。研究会や学会で発表され、世界中の国に浸透することによって、新たな医療が導入されていきますが、その過程で、非常に重要な役割を担っているのが医療翻訳家なのです。医療翻訳家なしには、今日のスムーズな医療のグローバル化は成しえません。高需要のため不況に強く、リーマンショックによる世界的不況の中でも、翻訳依頼は減らなかったといわれました。自国が医療界から遅れをとらないためにも、医療翻訳とは将来的にも必須の分野であり、時代の流れに左右されない、他の翻訳者にとっても魅力的な強みなのです。
このように、医療翻訳家のメリットをまとめると、
マイペースで仕事ができる
独立して在宅ワークが可能
在宅でも収入の安定が期待できる
医療の知識を得られる
高需要で将来性がある
の5つが挙げられます。やりがいもある、生涯安定して続けられる職業、それが医療翻訳家の最大の強みなのです。

しっかり考慮しよう!医療翻訳家のデメリット

医療翻訳は、安定した高い需要を誇り、将来性のある翻訳分野ですが、十分に活躍できるまでの道のりは非常に険しいものです。ここでは、デメリットをお話しします。
まず、翻訳家は在宅ワークが可能です。それは自分の自由に時間を管理するメリットもありますが、その分自分でやらなければならないことも多いです。営業であったり、経理、保険、データベースの管理、などなど。ただ、翻訳していればいいわけではなく、稼ぐための経営スキルも必要です。クライアントから仕事の依頼をもらうことや、常にニーズに敏感でならなければならないのも、軌道に乗るまでは非常に努力が必要でしょう。
次に医療翻訳において、最大の難関、専門知識の必要性です。医学、薬学、化学、解剖学に加え、医療機器系ではITに関する知識も求められます。また、翻訳する文章を深く理解したり、原文の間違いなどに気付くためには、生化学や遺伝子工学、物理学などのより広い専門知識をカバーしている必要もあります。また、日々更新される、医学の進歩に後れを取らないよう、継続した勉強も欠かせないでしょう。
そして、三つ目、万が一、誤訳があれば人の命にかかわります。絶対にミスをしないというプロ意識が他の翻訳業界よりも強く求められるのも、やりがいにつながる反面、デメリットともいえるでしょう。
これら、デメリットをまとめると以下の3つが挙げられます。
在宅で活躍するには、経営スキルも必要
医療翻訳には専門性の高い知識を学ぶ必要があるので一人前になるまで時間がかかる
誤訳は大きな責任が生じる

以上、メリットとデメリットについてお話ししました。やはり翻訳家という職業は専門性の高い職な分、一人前として認められたり、一定の評価が得られるまで鍛えるには、それなりの時間がかかる、厳しい道のりもあるようです。しかし、専門性が高くても、ある程度分野を絞り、特化した翻訳を多数こなすことで、その分野のみなら、プロに匹敵する翻訳技能を身に着けることも可能でしょう。将来性のある職種ですし、何より人の命に関わる分野の翻訳ですから、簡単でなくて当然。しかし、努力次第で非常に有意義でやりがいのある活躍が期待できるといえます。医療翻訳家を目指す方は、ぜひ長いスパンで検討してみてください!