看護師としてキャリアアップを図りたい!普通の看護師では満足できない!と思ってはいるけれど、何をすればいいんだろう?と考えている看護師や看護学生の方は少なくないと思います。そんな人に紹介したいのが「保健師」です。
目次
保健師について
保健師は、市区町村の学校や保健センター、地域企業に常駐して保健指導や健康診断を行う職業です。保健師は収入も安定していて、土日祝日の休みも取りやすく、最近では人気の医療職のひとつであり、競争率も高くなってきています。
知っていますか?保健師までの道のり
保健師になるまでにはどのような道のりがあるのか、整理しましょう。
保健師資格が必要
保健師になるためには、「保健師資格」というものが必要となります。保健師資格を取得するための要件は、以下の通りです。
- 看護師資格を有していること
- 保健師養成学校で1年以上修学し、保健師国家試験の受験資格を有すること
- 保健師国家試験に合格すること
上記の3つの要件を満たせば、保健師になることが出来ますが、そのための方法は大きく分けると2つあります。
ひとつは、保健師養成学校の認可を受けた看護大学で修学し、看護師と保健師の国家試験を同時に合格すること。
もうひとつは、看護師になって実務経験を積んでから、あるいは看護教育課程を経てから保健師学校へ入学、編入して1年間の修学をして、保健師国家試験をうけることです。
保健師になりたい!費用は?時間は?試験は?
では、保健師になるにはどれくらいの費用が掛かるのでしょうか
必要な費用
保健師学校に入学するために、入学金や授業料など、様々な学費を合わせると、おおよそ100~200万円が必要であると言われています。
また、大学の保健師養成課程に編入するという場合は、多くの場合が3年次編入となるために、2年間の通学が必要となります。大学によって大きく異なりますが、概算すると200~400万円程度かかると言われています。
保健師国家試験
次に、保健師国家試験の内容とその合格率についてです。
保健師国家試験は、保健師助産師看護師法に則り、毎年2月に1回、場所は、北海道、青森、宮城、東京、愛知、石川、大阪、広島、香川、福岡、沖縄などの全国の指定の都市で受験することが出来ます。
試験時間は午前の部、午後の部のそれぞれ2時間40分ずつになります。試験科目は公衆衛生看護学、疫学、保健統計学及び保健福祉医療行政論からの出題となっています。
保健師国家試験の難易度
保健師国家試験の合格率は、平成26年では99%にも及び、試験さえ受ければほとんどの人が合格できるような難易度となっています。
なぜこのような合格率になるかというと、実は、試験が非常に簡単だというわけではなく、保健師養成学校や大学の保健師養成課程への進学の難易度が高く、その段階で保健師になるにふさわしい学力を持った人が厳選されるからです。
看護師にならずに保健師になるメリットって…?
保健師になることで、通常の看護師に比べてどのようなメリットがあるのかを押さえておきましょう。
保健師の年収
まず、気になる年収ですが、これは保健師としての業種によって大きく異なってきます。
保健師の推定年収の平均額は、産業保健師が600万円、行政保健師が550万円、学校保健師が450万円程度だといわれています。
看護師の平均年収が520万円程度ですので、保健師自体の平均年収と比較すると大差がないように思われますが、大企業に勤める産業保健師は年収1000万円を超える場合もあるので、一概に保健師になったから看護師に比べて収入アップが望めるとは言い切れませんが、働き方によっては、大きな収入を得ることも可能な職業であると言えます。
また、保健師の業務は夜勤がないので、看護師の勤務に比べると体力的に楽であると言えます。
また、看護師であると所属する病院によっては医師の補助の仕事が多かったりなど、自分が思うような看護が出来ないということも多いですが、保健師の場合は、実際に人と自分が話し、保健指導や健康管理に対しての自分の考えを伝えるというのが業務なので、自分が考える通りの仕事をしやすいという点も魅力のひとつです。
さらに、行政保健師ですと、市町村役場の職員として働いているので、土日祝日の休暇が取りやすく、産休などの福利厚生もしっかりしていることが多いです。
というように、選ぶ業種によって、高収入から、良い労働環境まで選択肢があるのが保健師の特徴だと言えるでしょう。
そのようなメリットを考えれば、平均年収は看護師と同程度であっても、保健師の方が、職種として好待遇を受けられることが期待できると思います。
~看護師の業界用語~(まとめ)
悪液質(あくえきしつ)…癌などによる全身の衰弱状態のこと
癌などからの分泌物質によって、全身に症状が生じるものを特に「癌悪液質」といいます。また、下垂体の破壊による全身状態は「下垂体性悪液質」というものもあります。