看護師の中でも、最初から精神科を希望して就職するという方はあまりいないのではないでしょうか?
精神科病院は「心・精神」を治療するという特殊性からあまり勤務内容などがわからない人も多いかと思います。
目次
精神科病棟について
精神科と一言で言っても、意外と病棟がたくさんあり、深めていくとどこまでも深めていくことができる領域です。
よく見られるのは、急性期病棟の精神科、慢性期病棟の精神科、認知症病棟、閉鎖病棟、開放病棟などです。とくに後述した3つの病棟は精神科特有の特殊な病棟です。
大まかにいうと急性期病棟では急変対応など一般病院とあまり変わらない。慢性期病棟では長期入院の患者さんが多いといったような感じです。
病棟によっても違いますが、今回は精神科病院全体として、転職する際のメリット・デメリットをいくつか紹介していきたいと思います。
資格もたくさん?奥深い業務
精神科看護の資格
精神科看護では、精神科ならではの業務や資格が多数存在しています。
例えば精神科認定看護師、精神看護専門看護師など資格をとっていくとさらに自分のキャリアアップや給料アップにつながります。
精神科特有の病気もたくさん
また、精神科では依存症や、特定の精神病など、精神科でしか見ることができない病気も多数存在します。
それだけではなく、合併症も様々で、他科の知識もとても重要です。
例えば、脳外科的な腫瘍で起きる認知症などでは、認知症外来で担当することも在ります。この点で内科や外科の看護師しか経験したことがないという方でも、かなり転職が優遇されています。
精神病に興味がある方も、他の知識がたけている人も、精神科で十分にスキルを発揮することができます。
高齢化により老人介護とも精通
最近の高齢化によって、高齢者の精神科通院も多くなってきたので、老人介護に興味がある方にもおすすめです。
ただ、外科的手術などは行わないため、高度なスキルや介護を身に着けていきたいという方には注意して検討してください。
患者さんとの触れ合いがたくさん!
精神科では、病棟にもよりますが長期的に患者さんを担当することができます。
また、患者さんの精神を治療していくためにも患者さんと信頼関係を築いていくことは必須事項です。そのため、コミュニケーション能力は大幅にアップしていきます。
患者さんとかかわって、しっかりと患者さんの心に寄り添っていきたいと考えると精神科病院での勤務がおすすめです。
患者さんとのコミュニケーションなど、治療においても看護が占める割合はかなり大きいです。
そのため、自分の努力がそのまま患者さんの治療につながり、努力次第でかなりやりがいを感じることができる職場です。
意外といい職場環境!
意外と肉体派!
あまり知られていませんが、実は精神科病院は体位移動など肉体的な仕事を要することも多く、男性看護師の割合が多いです。他の病院で看護師間の人間関係に悩んでいた人にとっては働きやすい職場になるかもしれません。
明るく、きれいな職場が多い
また、精神科病院というと閉鎖的なイメージを持たれがちですが、意外と明るい雰囲気で、きれいな職場が多いです。
実際に見学をしてみると楽しそうな雰囲気に驚くかと思います。職員も人と人とのコミュニケーションを大事にする方が多いため、心優しく穏やかな職員が多い印象を受けます。
残業、夜勤が少ない
残業や夜勤も基本的にはなく、他の病院よりも時間的にゆとりをもって勤務することができます。
スーパー救急病棟などでは少し忙しくなってきますが、他の病院に比べると落ち着いて業務にあたることができます。
気になる精神科病院の給料は?
精神科病院で働く看護師の給料
それでは、精神科病院で働く看護師の給料に触れていきたいと思います。平均的には月収30万ほどで、年収にすると360~420万円と他の一般病棟と大差はありません。
加えて特殊資格取得による特別手当も加算されます。
また、精神科ではどうしても患者さんが感情の抑制ができず、暴力的になってしまうことが多々あり、自他ともに傷つけてしまうことがあります。
そのようなときのために精神科病院では危険手当が導入されています。これらによって夜勤や残業は少ないものの、他の科と給料はあまり変わりません。
精神科病院勤務のメリット
最後に、以上のことをふまえると精神科病院への転職は以下のような人に向いています。
- コミュニケーションをとることが上手な人
- 精神的に柔軟でゆとりのある人
- メンタルケアに興味があり、患者さんと密に接したい人
しかし、病棟によってかなり勤務内容が変わってきますし、精神科病院の規模によっても給与はかなり違ってきますので、自分のライフスタイルに合った職場をぜひ見つけてみてください。
~看護師の業界用語~(おまけ)
「耐性」(タイセイ)
精神科医療の現場では薬物投与の機会が多くなりますが、どんな薬剤でも体質や、複数回使用することでその薬物に対して抵抗力がつくことがあります。
この抵抗のことを耐性といい、ついてしまうと薬物が全く効かなくなったり、効きにくくなったりします。