療養型病院 – 看護師転職先の職場環境・待遇(給料)を徹底解剖

療養型病院とは療養病床がメインにある病院です。療養病床とは治療段階において慢性的な療養をしている人のためのベッドで、長期間の治療を必要とする患者さんに向けた病院です。

治療を受ける患者さんは大体症状の回復を待つ人か、次の入院先に転院するまでの継続的治療を行う人の二種類に分かれます。

どちらにしても慢性的治療で比較的安定した患者さんが多く、看護の中でも介護が占める割合が高くなってきます。

療養型病院の特徴

積極的に病気を治すための治療をするというよりは、延命や生活の質の向上につなげるお手伝いをしていくような仕事です。職員は大体医師、看護師、介護職員で構成されていて、看護師の数が一般病院よりも少なくなってきます。

今回はこの療養型病院に転職する際のメリット・デメリットについていくつか紹介していきたいと思います。転職の際の病院選びに少しでも役立つと幸いです。

患者さんとのおだやかな触れ合い

長期入院患者が多い

療養型病院に入院している患者さんは長期間入院していることが多く、一人の患者さんに対して真剣に接することができます。入退院も多くないので、患者さんに向き合う期間はながくなります。

介護を通して患者さんとじかに接する機会も多く、ご飯やおむつの介助をしたり、患者さんとお話をする機会も多いです。

看護師として肉体的にも、精神的にも患者さんを支えていくことができる職場だと思います。

また、患者さんの家族とも触れ合うことが多いので、患者さんと深く接していくことができます。

寝たきりや会話ができない患者さんも

寝たきりや、話をすることができない患者さんも多いですが、患者さんの顔色や調子といった毎日の細やかな変化から患者さんの状態を見極める、急性期での治療で使っていたようなスキルも生かすことができます。

ゆっくり落ち着いてお仕事…

療養型病院では手術や救急対応が少なく、比較的安定した職場なので、自分の仕事に集中してしっかりと取り組んでいくことができます!

ベテラン看護師が比較的多い

40代や50代の、ある程度キャリアを積んできた看護師や准看護師が多く勤務しているので、高い知識や技術を見て学ぶこともできます。

残業も比較的少なく、看護経験が少なかったり、長い間ブランクがあったりする方でも復帰しやすい現場になります。

新たな看護スキルを学ぶことは難しいかもしれませんが、焦らず自分の技術や知識を高めていくことができます。

急変時の対応なども求められることもありますが、基本的に日々の業務は変わらず、ルーチンワークになります。

プライベートが充実!

日勤中心でプライベートの時間が確保しやすい

先ほども少し触れましたが、療養型病院は残業や夜勤が他の病院に比べて少なく、メインの仕事は日勤になります。

出勤、退勤の時間もほとんど毎日同じです。

ですから結婚していたり、子供がいて家庭を持っている人だと、かなり働きやすい職場だと思います。自分でさらに勉強して新たな資格を取りたい人にもおすすめです。

残業も可能?

逆に言うと、残業をする人が少ないので、残業時間の制限がありません。つまり、たくさん残業を入れることができる人は給料アップも見込めるということです。

気になる給料は?

それでは、皆さん気になっているお給料について説明していきます。

療養型病院での給料

平均的な月収は30万円になります。年収は残業分他の病院に勤めている看護師よりは少なくなりますが、400万~430万ほどです。

しかし、これでもほかの病院に比べて特別お給料が少ないということではないので、とてもいい職場であることは確かです。

年収が少し少ないかもしれないと感じている看護師さんは療養型病院に転職するのも一つの候補にいれてみてはいかがでしょうか。

こんな人にオススメ!

これまでのことをふまえると、療養型病院で働くのは

  • 自分の私生活をしっかり充実させたい人
  • 根気よく患者に付き合い続けられる人
  • 仕事にゆっくり集中したい人
  • ルーチンワークが得意な人

に向いていると思います!

看護師としてスキルアップしていくというよりも、働きながら他に目を向けたり、患者さんと触れ合ったりしていくことができます。

療養型病院では看護師だけでなく准看護師や介護士も多いので、自分が持っている資格によっては転職する際にかなり優遇されることもあります。

後々介護の道に進みたいと考えている方にもとても重要な技術を身に着けることができる職場です。

療養型病院のみの病院や、療養型病床が入っている総合病院などいくつか種類もありますので、自分に合った職場や勤務体制をしっかり吟味して転職する病院を選んでみてくださいね!

~看護師の業界用語~(おまけ)

「体位ドレナージ」

重力に身を任せて水が高いところから低いほうヘ流れるように、さまざまな体位をとることによって、気道内にたまってしまった痰を、少ないエネルギーで効率よく排出させる方法のことです。

人工呼吸器を使用している方など、自分で痰を排出できない患者さんなどではよく行われる手技の一つです。