皆さんは病院とクリニックの違いをしっかり説明することができますか?
クリニックは軽い病気、病院は重い病気で、MRIなどが取れる場所かな・・・
というように漠然とはこたえられるとは思いますが、詳しい定義はよく知らないと思います。今回は病院とクリニックの違いを説明していきたいと思います。
目次
看護師転職でもクリニックと病院の違いは重要
自分が病気になったときに病院に行けばいいのか、クリニックに行けばいいのか迷ってしまうこともあるかと思います。
転職を考える際にも病院で働くことと、クリニックで働くことには大きく差が出てくるので、その違いを把握しておくことは重要です。
しっかり違いを学んで、就職、転職、受診の際に参考にしてみてください。
病院とは何?その役割は?
病床数が20床以上
病院は、医療法1条の5第1項、1条の5第2項によりますと、病床数が20床以上の入院施設を持つ医療機関とされています。
国公立病院、大学上院などの大病院に加えて、地域医療を担う中核病院もその中に入っています。
病院の最低人員数
病院には最低人員数が決まっていて、人数は詳しく規定されていませんが医師は3人以上、看護師は患者3人に対して1人以上、薬剤師は一人以上とされています。
建築にも制限あり
建てることができる場所にも規定があり、建築基準法により、病院は第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・工業地域・工業専用地域に設置できないことになっています。
むやみやたらに建築して、医師でない人が経営していくことはできないようになっています。
治療や検査の機械が充実
病院は医療従事者の数も多く、治療や検査の機械が充実しています。一般的な診療設備だけでなく、感染症の際に起因菌を特定するための培養室や、細胞診などの顕微鏡室、解剖室などその他の設備もそろっています。
設備が優れている分患者数も多く、一人一人にかける時間は少なくなってしまいますが、しっかりと病気を発見することができ、検査や病気の寛解を目指していく施設になります。
病院とクリニックの料金
以前は両者で初診料に違いがありましたが、初診料は病院もクリニックも現在違いはありません。
しかし、病院は高度な医療を提供することを前提としているため、通常の治療に加えて検査や病院でしかできないような治療を行っていくことで総合的に病院の医療費のほうが高くなっていくことになります。
軽い病気であればクリニックで済ませて、無駄にお金をかけないようにすることができます。
クリニックとは何?その役割は?
病床数が19床以下
クリニックとは、医療法1条の5第1項、1条の5第2項によりますと病床数が19床以下の医療機関とされています。定義的には診療所や医院と大差はありません。
最低人員制限は関係なし
クリニックには病院に合ったような医師、看護師、薬剤師の最低人員制限は関係ありません。また、クリニックを開く人は医師でなくてもいいとされていて、最低医師一人から開設することが可能です。
アットホームな雰囲気
この医師がいいというように、一つのクリニックで複数の医師を選んでいくことはできませんが、地域や患者さんに密着して、アットホームな雰囲気で診療を受けることができます。かかりつけの医師をつくることができるのもクリニックの大きな利点です。
マンツーマンでしっかりと診療を受けることができるため、軽症の病気でもしっかり親身になって診断してくれます。
病院、クリニックをうまく使い分けていこう
以上のことから、病院、クリニックをうまく使い分けていくことができます。
まずはクリニックで受診⇒必要であれば病院へ
例えば、具合が悪くなった時にはまずクリニックへ行って、とりあえず診断をしてもらう事が必要になってきます。
クリニックでは治療が出来ないと医師が判断したり、そこの医師ではわからない所見が見つかったりした時には、大きな病院へ紹介状を書いてもらう事が出来ます。
これによって患者が精密検査をしたり、ほかの経験豊富な医師に診てもらうことできちんと病気を診断し、治療していくことができます。
逆紹介もある
また、病院からクリニックへの逆紹介ということもあります。これは病院での治療がある程度進んで、自宅から通院しやすいクリニックや、かかりつけ医がいるクリニックに再度紹介して治療を委託するということです。
このように、病院やクリニックをうまく使い分けていくことで効率よく、しっかりと病気に立ち向かうことができます。
クリニックで診断を受けたけど、どうも違うような気がするというときはほかの病院を受診するのも手段の一つです。
皆さんも病院とクリニックの違いをしっかり把握して、病気になったときにはどちらを利用すればいいのか考えてみてくださいね。
~看護師の業界用語~(おまけ)
「タラソテラピー」
タラソテラピーとは、海水を利用する健康法のことです。
35度の人肌程度の海水でリラックスしながら運動したり、休養を取ったりすることで体の内側から細胞を活性化していくことができます。
海水のミネラルを積極的に取り込むことになり、リハビリテーションにも用いられることがあります。