小児外科の看護師の仕事とは

小児外科の看護師はどんな仕事をしてどんな人に向いているのか、またどんな知識が必要なのか、簡単にまとめたので参考にしてみてください。

小児外科の看護師の役割とは?

小児外科は小児科とは違うのか?と疑問に思うかもしれませんが、小児外科があることは意義があります。そして、仕事内容も小児科と共通する部分もありますが異なる部分もあります。小児外科は主に呼吸器系、消化器系、泌尿生殖器系などで特に手術・外科的処置が必要な疾患を扱っています。心臓外科、整形外科、脳神経外科は小児外科では扱わず、それぞれの診療科に任せている場合が多いようです。現在、小児外科は限られた病院にしかないことからも分かるように専門性が高い科になり、その分求められるレベルも高くなります。対象年齢としては小児科と同様、新生児から15歳程度の思春期までになりますが、そのなかでも小児外科では年齢の低い患者さんが多く占めています。
それでは実際にどのような仕事内容なのか説明していきましょう。小児外科の看護師の主な仕事内容は、採血、点滴、注射などの一般業務から、術前の準備・検査の補助、術後の管理、患者さんの家族へのケアなどがあります。言葉だけで見れば一般外科とほぼ同じように思えますが、そのひとつひとつの難易度ははるかに高く、それだけのスキルが必要になります。子供は自分ではうまく症状を訴えることができない場合が多いため、術前術後の全身状態の管理は見落とさないよう細心の注意を払わなければなりません。さらには子供は免疫力が低く感染症や合併症のリスク、術後の急変のリスクが高くなります。異常があればそれは命に関わる状況に成りうるため、術後のバイタルサインのチェックなどは特に重要です。手術創の管理・処置も大人よりも難易度が高くなります。小児外科の看護師は、こなすべき仕事量が多いうえ、難易度、緊張感も高い現場で働きます。

忘れてはいけないのが、子どもの精神的ケア・家族のケアになります。幼い子供にとって手術=怖いという漠然としたイメージがあり、自分がどうなってしまうのか分からないという大きな不安に包まれています。円滑に手術を受けてもらうためにも、子供に寄り添って看護します。そして家族のケアも非常に大切です。幼い我が子が手術を受ける、また小児外科ではリスクの高い手術も多いため、家族は平静を保つことが難しくなります。自分の両親が不安でいっぱいだとそれは子供にも伝わります。そのため家族にケアは欠かせません。時には、両親のやり場のない大きな不安が、看護師にぶつけられることも少なくないですが、それでも辛抱強く寄り添って、ともに乗り越えていくという重要な役割があります。

小児外科は忙しいというイメージが強くなったかもしれませんが、手術が成功すればどんどんみるみるうちに回復していく様子が見れるのでやりがいも多い現場です。子供たちが元気になったときの笑顔は日々の忙しさを忘れさせてくれるでしょう。

給料はどれくらいもらえるのか?

転職の際に気になるのがお給料についてですよね。小児外科の看護師の給料は平均30〜40万円程度になります。小児外科のある病院は大規模な病院なので、一般的な平均よりも給料は高くなります。この中には夜勤、時間外手当も含まれています。
月収給料アップにつながる資格については”キャリアアップができる資格とは?”で詳細を紹介します。

どのような人が向いているのか?

さきほども述べたように、小児外科は医療手技でも看護でも高いレベルが要求される現場になるので、熱心に勉強し向上心がある人や、外科での経験が高い人に向いています。仕事内容も普通の外科より多く、毎日が忙しくなるので、体力に自信がある人、テキパキと要領よく仕事がこなせる人に向いています。

また、子供、そしてその子の家族の精神的なケアのためにもコミュニケーション能力は必須になります。コミュニケーションに自信がある人、芯の強い人に向いています。そして、小児外科ではリスクも伴うため、残念ながら救うことができない患者さんもいます。そのためつらい現場に遭遇しても、自分でうまく切り替えられるような人が向いています。

キャリアアップができる資格とは?

キャリアアップにつながる資格は多数ありますが、ここでは2つに絞って紹介します。また必ずしも給料アップにつながるというわけではないですが、自分の仕事をアピールするきっかけになります。
・小児看護専門看護師→平均5000円程度アップ(それ以上の可能性もあります)
・小児救急看護認定看護師→平均1万円程度アップ
これらの資格に関します詳細は、個別に詳細を書いておりますので、そちらを参考にして下さいね。

看護師の業界用語

認定看護師
日本看護協会の認定審査に合格し、ある特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を有することを認められた者を指す。