皮膚科の看護師の仕事とは

皮膚科の看護師はどんな仕事をしてどんな人に向いているのか、またどんな知識が必要なのか、簡単にまとめたので参考にしてみてください。

皮膚科の看護師の役割とは?

名前からも分かるように、皮膚に関する疾患を扱うのが皮膚科になります。皮膚は頭皮から足のつま先まで全身を覆っているので領域は全身ということになります。皮膚科には大きく二つに分けられていて、アトピー性皮膚炎、水虫、やけどなど皮膚に関する疾患・外傷を扱う一般的な皮膚科と、しみやしわなどの治療をメインに行う美容皮膚科に分けられます。また、一般的な皮膚科では主に外来がメインとなり、皮膚科専門の病棟のある病院は限られているようです。病棟があるとしても、他の科との複合の病棟というケースもあるようです。よって、今回は主に一般的な皮膚科での看護師の仕事について説明していきます。

皮膚科の看護師の主な仕事は採血、注射、医師の診察や処置の介助、薬の塗布・説明・管理など外来での仕事がメインになります。手術がある病院では、手術の介助も仕事に加わります。他の科では病棟と外来どちらの仕事も含まれていることが多いため、採血や注射などの医療手技を行う頻度は定期的にありますが、皮膚科では病棟自体がほとんどになるので、そのような医療手技を行う頻度は少なくなります。その分、皮膚の疾患部位を清潔にする処置や薬を塗布したり創傷部位の洗浄をしたりすることが多くなります。魚の目などに対して液体窒素療法行ったりと皮膚科特有の処置の補助も行います。皮膚科は内科と外科に分かれていないため、内科的処置・外科的処置どちらもこなしていきます。

皮膚科の看護師の重要な仕事に薬の説明があります。皮膚科の患者さんに処方される薬は外用薬(塗布薬)が多くなります。そのため、薬のタイミングが内服薬のように食後に一日3回というように分かりやすくないときもしばしばあります。患者さんが自宅で処方された薬を塗り忘れてしまったり、適切な時間や頻度に塗らなかったりすると薬の効果が薄れてしまいます。そのため、患者さんに分かりやすく説明するという役割があります。

皮膚科には子供から大人まで幅広い年齢層の患者さんがきますが、子供は夏になるとプールなどの影響で水いぼやその他皮膚炎になり、皮膚科を受診する子供が多くなります。患者数が増える時期は外来が混雑が考えられますので、速やかで的確な処置をする必要があるでしょう。

皮膚科では感染性の疾患を扱うことも少なくありません。そのため感染予防、感染防止の処置、患部を清潔に保つなどの仕事も重要です。ここを怠ってしまうと働いている医療従事者自身が感染してします可能性がありますし、患部を清潔に処置しないと悪化してしまいます。感染性の疾患を扱う場合は、細心の注意を払い、細やかな処置が求められるでしょう。
また皮膚科を受診するひとの中には、見せることが恥ずかしいと感じていたり、やはり皮膚は人から見られる部分なので自信をなくしていたりする患者さんもいます。そのような患者さんの場合は診察の際もプライバシーに配慮して、診察や処置をしやすい環境をつくってあげるようにしましょう。安心してもらえるような声かけなども重要です。

給料はどれくらいもらえるのか?

転職の際に気になるのがお給料についてですよね。皮膚科の看護師の平均月収は20〜25万円程度になります。一般の看護師の平均並みまたは少し少なくなっていますが、夜勤が加わる場合はもう少し高くてなります。また美容皮膚科の場合は一般の皮膚科より月収が5万円程度ほど高くなります。
月収給料アップにつながる資格については”キャリアアップができる資格とは?”で詳細を紹介します。

どのような人が向いているのか?

先も述べたように皮膚科での仕事は、基本的に外来がメインになるので、仕事はルーチンワークとなることが多いです。そのため夜勤はほとんどなく、仕事と家庭を両立したい人、プライベートの時間を大切にして働きたい人に向いています。また、皮膚科では感染性の疾患を扱うことにもなるため、細かい作業が得意な人、丁寧に仕事ができる人に向いています。

皮膚科に来る患者さんは子供から大人まで様々で、また患者さんの中には見せることが恥ずかしいと不安をもってくる患者さんもいます。患者さんそれぞれに合わせて臨機応変に会話したり対応できる人、気が利く人に向いています。

キャリアアップができる資格とは?

キャリアアップにつながる資格は多数ありますが、ここでは2つに絞って紹介します。また必ずしも給料アップにつながるというわけではないですが、自分の仕事をアピールするきっかけになります。
・皮膚・排泄ケア認定看護師→平均1万円程度アップ
・福祉皮膚美容士
これらの資格に関します詳細は、個別に詳細を書いておりますので、そちらを参考にして下さいね。

看護師の業界用語

ぬぐい液
検体の一つで、綿棒で採取した細菌やウィルス検査の為の分泌液のこと。