肛門科の看護師の仕事とは

肛門科の看護師はどんな仕事をしてどんな人に向いているのか、またどんな知識が必要なのか、簡単にまとめたので参考にしてみてください。

肛門科の看護師の役割とは?

肛門科と聞けば主に痔を専門にみている科なのか?と思う人も多いかもしれません。肛門科では肛門だけでなく、大腸・直腸など肛門周辺の下部消化器系も扱っている科になります。そのため痔だけではなく、肛門がん、大腸ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎などさまざまな疾患があります。病院により肛門科単独のこともあれば、消化器外科や泌尿器科などと併設している場合もあるので、病院選びの際は気を付けてください。

それでは実際に肛門科の看護師にはどのような仕事があるか説明していきます。主に医師の診察、処置の介助、検査、患者さんの精神的ケアなどがあります。手術を行う病院では手術の介助、術前準備なども含まれてきます。一般的には肛門科は外来が中心となるため、注射、採血などの医療手技を行う頻度は少なくなります。しかし、検査では肛門科特有の医療機器を使用したりと専門性の高い処置や検査を行うことが多くなるため、肛門科に初めて勤務する場合は新たに使い方を覚えることになります。慣れてくれば専門性の高い手技を取得できることになります。また肛門科では内視鏡やエコーを使って診察したり処置したりする機会が増えるので、エコーや内視鏡処置の介助の経験がある場合は経験を生かすことができます。

肛門科に来る患者さんの中には、恥ずかしさがある人、来たくはないけどしょうがなく診察に来た人、今まで放置していてやっと診察に来た人など様々な感情を抱いてきた患者さんがいらっしゃいます。診察で患部を見せる際などは、羞恥心やプライベートに配慮し、安心して診察を受けてもらえる環境を作るのも看護師の重要な役割になります。

ここまでは主に外来での仕事を中心に話を進めてきました。外来のみの場合は病棟での夜勤等はありませんが、手術がある病院では病棟での仕事や手術の準備なども看護師が行っていき夜勤等もある場合があります。しかし肛門科の特徴は日帰りでの手術、短期入院での手術が多くなるということです。そのため肛門科自体の病床数は少ない病院が多いため、夜勤の負担も他の科に比べると少なくなります。肛門がん、大腸がんなど肛門科の中でも限られた疾患には長期入院が必要になることもあります。基本的に手術時間は長時間に及ぶことが少ない分、一日に何件も手術をこなす場合があるので、混乱しないように冷静に仕事をこなしていきましょう。病院の規模により手術専門のオペ看護師がいないときは、手術に入って手術の介助をする場合もあります。自分がどのような仕事をしたいかを明確にし、それに合わせて病院を選ぶことをおすすめします。

給料はどれくらいもらえるのか?

転職の際に気になるのがお給料についてですよね。肛門科の看護師の平均月収は30万円程度になります。外来がメインの病院が多いため夜勤や残業の手当は少なくなるにも関わらず、平均月収は一般の看護師の平均より少し高めになっています。肛門科は比較的待遇がよい病院が多いようです。
月収給料アップにつながる資格については”キャリアアップができる資格とは?”で詳細を紹介します。

どのような人が向いているのか?

先ほども述べたように他の科より夜勤の負担は少なく、またはないので、家庭や育児と両立したい人や自分のペースで無理せず仕事をしたいという人に向いています。肛門科では消化器系の知識も必要になるので消化器外科などでの勤務経験のある人や、内視鏡の処置の介助経験のある人に向いています。
肛門科ではデリケートな部分、恥ずかしい部分というイメージがあり診察に不安や戸惑いを抱えている患者さんが多くいらっしゃいます。そのため、患者さんの気持ちを理解しコミュニケーションをとれる人、気遣いがうまくできる人に向いています。

キャリアアップができる資格とは?

キャリアアップにつながる資格は多数ありますが、ここでは1つに絞って紹介します。また必ずしも給料アップにつながるというわけではないですが、自分の仕事をアピールするきっかけになります。
・消化器内視鏡技師
こちらの資格に関します詳細は、個別に詳細を書いておりますので、そちらを参考にして下さいね。

看護師の業界用語

抜く
(1)関節腔が最も広く見えるように撮影すること。関節の側面像ではきちんと関節腔が”抜けて”いることが重要である。(2)(障害となる)陰影が、読影上障害にならないような位置にくるように撮影すること。(例)胸骨を肺野にぬく。