麻酔科の看護師の仕事とは

麻酔科の看護師はどんな仕事をしてどんな人に向いているのか、またどんな知識が必要なのか、簡単にまとめたので参考にしてみてください。

麻酔科の看護師の役割とは?

まず麻酔科とは、手術には欠かせない麻酔を専門に扱うところで主に麻酔科医が活躍しています。その他、術後の集中治療室での患者さんの管理、がんなどの疼痛の伴う患者さんの緩和ケアなども麻酔科医の仕事です。それでは看護師はどうでしょうか?アメリカではCRNA(看護麻酔師)という資格制度が整っているため、麻酔科で働く看護師が確立しているのに対し、日本ではまだ麻酔科で役に立つ認定看護師、専門看護師などが設けられていません。そのため麻酔科だけで専門的に働いている看護師は非常に少なく、求人情報も他の科よりはるかに少ないというのが現状です。

麻酔科の看護師として働きたいという場合には主に二つの方法があるようです。一つ目は、手術室看護師(オペ看護師)と兼任するという方法です。兼任している病院も多くあるようです。そのため、手術中の器械だしを行ったり、外回りで手術中に麻酔科医の処置の補助をしたりするのが看護師の主な仕事になります。その他、術前に患者さんが手術を受けれる状態かどうかの確認、手術中の患者のバイタルチェックなども行います。外来や病棟の看護師とは違い注射・点滴など一般な医療手技を行う機会は少なくなりますし、患者さんと接する時間は少なくなります。つまり、たくさんある科の中でも特殊な仕事内容になります。麻酔に関する知識や手術で使う医療機器に関する知識など、一般の科では勉強してこなかったことが多くなるので麻酔科の看護師(兼手術室看護師)は慣れるまでは日々勉強することがたくさんあるでしょう。

麻酔科の看護師として働くための二つ目の方法が、緩和ケア(ペインクリニック分野)を扱う麻酔科がある病院やペインクリニック専門の病院を選ぶという方法です。簡単にまとめると痛みを和らげるための分野で、神経ブロックや薬物療法により治療していきます。先ほどは麻酔科の看護師は患者さんと接する時間が短いと述べましたが、ペインクリニックでは患者さんと接する時間は多くなります。ここでの看護師の主な仕事は、痛みを起こしている神経部位に薬剤を注入する神経ブロックや薬物療法などの治療の補助、患者さんや家族の精神的ケアになります。患者さんは身体的に痛みを感じていることはもちろん、日々の身体的な痛みから精神的にも苦しく悩んでいる患者さんが多くいます。そのため不安を取り除いてあげたり、前向きに治療に取り組んでもらえるようにサポートするのは看護師の大切な役割になります。ペインクリニック分野では麻酔科医や看護師だけでなく、精神科医師、薬剤師、管理栄養士など様々な職種の人たちがチームを作って治療していくことも多いため、看護師はその橋渡しのような仕事もしていきます。

主に二つに絞って麻酔科の看護師の仕事を紹介してきました。内容からも分かるようにどの病院で、どの分野で働くかにより麻酔科の看護師の仕事内容は大きく変わるので、自分には何が向いているのか、どう働いていきたいかを明確にしてから病院を選ぶことをお勧めします。詳しくは、“どのような人が向いているか?”で述べていきます。

給料はどれくらいもらえるのか?

転職の際に気になるのがお給料についてですよね。麻酔科の平均月収は20〜25万円程度になっていて、一般的な看護師の平均と同じくらいになります。
月収給料アップにつながる資格については”キャリアアップができる資格とは?”で詳細を紹介します。

どのような人が向いているのか?

手術室看護師と兼任している場合は、麻酔に関する知識から手術で使う医療機器の把握など覚えることがたくさんあるので、勉強熱心な人、こつこつと努力し向上心のある人に向いています。また、麻酔科の看護師は患者さんと接する機会は少ない場合もありますが、麻酔科だけでなく薬剤師、管理栄養士など違う職種の方々と一緒に仕事をすることもあります。そのため、良好な人間関係を築ける人、協調性のある人に向いています。

キャリアアップができる資格とは?

キャリアアップにつながる資格は多数ありますが、ここでは2つに絞って紹介します。また必ずしも給料アップにつながるというわけではないですが、自分の仕事をアピールするきっかけになります。
・がん性疼痛看護認定看護師→平均1万円程度アップ
・手術看護認定看護師(麻酔科の手術看護師を兼ねている場合)→平均1万円程度アップ
これらの資格に関します詳細は、個別に詳細を書いておりますので、そちらを参考にして下さいね。

看護師の業界用語

ネブライザー
喘息などの呼吸器疾患の患者が薬剤を霧状にして鼻や口から吸入するための医療機器のこと。超音波振動や高速気流を与えて、微粒子を気道内に送り込むという仕組み。